韓国の大手食品メーカー「農心(ノンシム)」が17日、第2四半期のアーニングショック(売り上げ激減)を記録し、株価が下落した。総合株価指数(コスピ)市場で農心は前日より9000ウォン下落し、29万500ウォンで取引を終えた。取引中は5%以上急落した。
一方、ライバルの大手「三養(サミャン)食品」と「オットギ」は軒並み強気を見せた。三養食品は0.43%、オットギは2.86%上昇した。三養食品は同日、取引中4%以上高騰し、前日も6%急騰した。
ラーメン3社が交錯した株価の流れを見せたのは、実績という変数があるためだ。ラーメン市場が好況の中、農心だけが唯一、第2四半期の実績が低迷している。
農心の第2四半期の営業利益は前年に比べ75.4%減った43億ウォンを記録した。特に韓国国内部門の場合、1998年以来24年ぶりに30億ウォンの赤字に転落した。売り上げは同期間16.7%増の7562億ウォンだ。
農心は全体売り上げの中で辛ラーメン、安城湯麺(アンソンタンメン)などラーメンの比重が80%に肉迫するが、最近、原材料価格が上がり、実績が悪化した。今年上半期の売り上げで内需の比重は輸出の10倍以上であることから、「ラーメン輸出好況」の恩恵を享受できなかった。また、海外に工場を置き、現地で直接ラーメンを生産しているため、為替効果も得られなかった。
農心関係者は「国際原材料相場の上昇と為替レートが上がり、原材料購買単価が高まった。諸般の経営費用が大幅に上昇したため、売り上げが増えたにも関わらず、営業利益は減少した」と明らかにした。
◇「BTS推し」ブルダック炒め麺に実績↑…三養食品、株主還元も「熱く」
半面、三養食品は営業利益が前年対比92%も増えた273億ウォンを記録し、大当たりをした。売上高は前年比73%増の2553億ウォン、当期純利益は156%増の276億ウォンだ。
三養食品は「K-辛い味」を前面に押し出した「ブルダック炒め麺」を中心に過去最高の輸出を記録した。第2四半期の輸出額は昨年より110%増えた1833億ウォンで、四半期基準で最大の実績を出した。上半期の輸出額は3000億ウォンを超え、昨年の年間輸出額(3885億ウォン)を早くも上回る見通しだ。
三養食品は三養ラーメン、ブルダック炒め麺など麺スナックが売り上げの97.9%と絶対多数を占める。また、三養食品は農心とは違って、国内工場で生産したラーメンを海外に輸出する構造であるため、最近のウォン高ドル安の恩恵も大きかった。
ブルダック炒め麺の世界的な人気は、BTS効果という業界の声がある。
三養食品のキム・ジョンス副会長は16日放送のSBS「食者会談」に出演し、「ジミンがブルダック炒め麺を好んで食べる姿を見せてくれ、広告効果が十分に発揮されている」と感謝を伝えた。ジミンがARMY(BTSファンダム)の前でブルダック炒め麺のモッパン(食べる放送)をしながら「辛い味チャレンジ」が流行したためだ。
加えて、三養食品は株主還元政策を発表して、株主を喜ばせた。
実績発表当日だった16日、1株当り800ウォンの中間現金配当を公示した。配当金総額は59億8097万ウォンだ。
証券業界では、農心が下半期から実績改善の勢いを見せるとし、低価格買収を推薦した。
ハナ証券のシム・ウンジュ研究員は「四半期損益は底を通過した。国内外の堅調なトップライン成長は持続し、下半期は原価および販促負担が上半期に比べて軽減されるものと見られる。低価格買収の機会と判断する」と明らかにした。
©MONEYTODAY