2024 年 11月 26日 (火)
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韓国記者、「電気自動車通勤1カ月」で抱いた「意外な満足感」と「快適でない点」

(c)NEWSIS

「一度も食べたことのない人はいても、一度しか食べない人はいない」という言葉がある。食べ物がおいしければ、何度も食べてしまうという意味だ。韓国自動車記者協会が実施した電気自動車(EV)1カ月試乗キャンペーンに参加してみて、同様に、こう実感した。「EVに一度も乗ったことがない人はいても、一度しか乗らない人はいないだろう」

EVの試乗会は4月中旬から5月中旬まで開催された。筆者の自宅のある京畿道儀旺市(キョンギド・ウィワンシ)の仁徳院(インドクウォン)駅からソウル地下鉄4号線の駅のあるソンバウィまでの通勤に使った。

車両はスウェーデンのEVブランド「ポールスター(Polestar)」のクロスオーバーEV「ポールスター2」で、後輪駆動方式のロングレンジシングルモーターモデルだった。

「ポールスター2」の第一印象は「スマート」。「先端自動車」を強調するモダンなデザインが目に飛び込んできた。ボルボのデザインとも似た感じがした。

ボルボのデザイン首席副社長だったトーマス・インエンラトがポールスターの最高経営者(CEO)を務めている関係で、デザインのアイデンティティも似てきたようだ。

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◇満足の維持費

高性能EVを標榜するポールスター車両らしく、走行性能は非常に満足した。220kW出力のモーターの加速性能は、運転の楽しさを再認識させた。

アクセルペダルを踏むとスムーズに動き始める。強く踏むと、あっという間にスピードが出る。高速道路では時速160~170㎞程度のスピードでも安定した走行だった。

ポールスター2に乗って一番満足したのは維持費だった。充電費用はもちろん、毎日利用しなければならない駐車費も全く負担にならなかった。

ポールスター2の公認燃費(電費)はkWh当たり5.1kmだ。数字だけでは実感が湧かないが、1カ月間の通勤と週末のレジャーで思う存分使っても2万ウォン前後のチャージ料を払うだけだった。

充電も1回、2回と続けて利用するうちに慣れてきて、不便を感じなくなった。スマートフォンの充電のように定期的で日常的な作業となった

急速充電でなければ充電時間は基本的に数時間かかったが、仕事から帰ってEVの駐車場に停めておいて充電すれば、一晩で十分な容量を充電することができた。

ただ、祝日のような特別な状況で高速道路の充電スタンドに突然、車がたくさん集まると、充電が容易ではないという気がした。

駐車費も安い。ソンバウィ駅近くの公営駐車場に1日中車を止めておいても、50%割引が適用され、1500ウォン(約170円)だけ払えば済む。

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◇あまりに敏感な後方センサー

ポールスター2車両自体に残念な点があった。

まず、安全のための後方センサーを、あまりにも敏感に設定しすぎて、駐車防止柵まで「障害物」と認識して急ブレーキがかかる場合が多かった。

また、フロントガラスに映すヘッドアップディスプレイ(HUD)がなかったため、センターディスプレイや計器盤を利用してナビゲーション画面を見なければならなかった。

個人的には計器盤をディスプレイとして利用するよりは、速度とバッテリー残量、残りの走行距離などのデータを確認する目的でのみ使用した方が便利だと感じる。ナビゲーションはセンターディスプレイのみで使用したが、HUDがあれば、利便性と安全性がさらに向上するだろう。

例えば、都心を走っている時に知らない道を探す時、ナビゲーションを集中して見なければならない。同時にエアコンの温度を調整したり、シートベンチレーターを操作したりしなければならない場合には、画面の操作が煩わしく感じた。

あとで調べてみると、内蔵されたTマップOSを通じて音声でもシートベンチレーターをオンにすることができるとわかった。それでもボタンの利便性を超えることはできないと思う。

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下半身のセッティングも硬すぎた。走行中にスピードバンプや段差を越える時は、車が跳ねるような感覚があった。特に、後部座席の乗り心地は良くなかった。

1~2人世帯が通勤用として楽しく運転するには最適だが、3~4人家族が使うには車内のスペースが少し狭く、快適ではない。

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