「トマトが悲鳴をあげる」というイスラエル研究チームの成果が今年関心を集めた。トマトに水を与えないと「カチ」という音がしたのだ。水が足りず内部組織が切れる音らしいが、これが「植物も話す」と解釈された。実は韓国にもこんな植物の「信号」に関する研究者がいる。ソウル大学教授でスマートファーム企業「テロファーム(Telofarm)」のイ・ジョンフン代表だ。
テロファームは植物の状態を把握し、水と養分を最高の時期に最適な量だけ与える農業技術を開発。土壌や温度・湿度など環境を調節するのではなく、植物自体の状態を把握する。
決め手はトマトの茎に取り付けた極小の半導体センサー。ここから得た情報を蓄積し、いつどれだけ水と養分を与えれば最適な生産量を得られるか分析するのが特徴だ。
イ・ジョンフン氏は「15分単位で環境に対する植物の反応を測定できる」と強調したうえ「水を抑えることで遺伝子の活性化を誘導し、多く生産されるようにできる」と話した。
テロファームは現在、8カ国36カ所の農場で約10種の作物について実証実験を進めている。その中には慢性的な水不足に悩む米カリフォルニア州の26カ所のワイナリーもある。
少ない水で生産量を増やすことができるテロファームの技術は最適なソリューションで、砂漠の多い中東圏からの問い合わせも増えている。
イ・ジョンフンイ氏は「ナツメヤシの病虫害を感知するプログラムを開発し、砂漠でできる室内植物工場事業を推進している。高級農産物を収穫して大きな収益を出せる事業だ」と話した。
(c)MONEYTODAY