携帯電話やタブレットなどを使う学生が増えたことで、韓国では大学周辺から印刷所が姿を消しつつある。経営を維持してきた店も無人プリントカフェなどの進出に脅かされている。
ソウル市東大門区回基洞(トンデムンク・フェギドン)の慶熙(キョンヒ)大学正門前。かつては10カ所以上の印刷所があったが、今では3カ所になった。
16年前から印刷所を経営している社長は「明日やめてもおかしくない。来店する学生たちはますます減っている」と肩を落とした。店の周辺には「マットレス防水カバー」のチラシが貼られていた。商売がうまくいかず、副業を始めたのだという。
慶熙大学の学生キム・ミンギュさん(21)は「課題を印刷して提出しろと言われない限り、コピーすることはない。修正も楽なので今はタブレットだ」と話した。
校内のコピー室も事情は同じだ。城東区(ソンドング)の漢陽(ハンヤン)大学内にあるコピー室の経営者(59)は今年で営業を終了する予定だ。新型コロナウイルス禍と時代の変化で客は激減する一方で、賃貸料はアップしたためだ。
この経営者は「以前なら開講前や試験期間に廊下を埋め尽くすほど学生が並んだが、今では試験期間なのに今日は製本依頼がたった2件だ」と嘆いた。
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