韓国では国民年金の“枯渇”時期が2055年と予想されている。そんななか、国民年金を滞納する事業場が「10人以下の零細事業場」に集中するとともに、国民年金の過誤給(誤った支給)金額が急増するなど、ずさんな管理システムが明らかになった。
国民健康保険公団の「国民年金滞納事業場現況」によると、2023年6月の滞納事業場は計6万1587カ所に達し、このうち10人以下の零細事業場が98%(6万564カ所)だった。
事業場の国民年金滞納は労働者の被害につながる。国民年金を受け取るためには納付期間10年を満たす必要があるが、会社が国民年金を滞納すればその期間分は漏れる。したがって健康保険公団は労働者にあてに、事業場による滞納の事実を通知している。
ところが、健保公団の通知事業場の現況を見れば、今年6月時点で、通知を受けた労働者は全体の17%にとどまり、労働者の8割以上が会社による国民年金滞納事実を知らされずにいる。
国民年金の過誤給の管理も不十分だ。公団の過誤給が毎年増え、発生件数と金額は、この4年6カ月間で7万9340件(644億8200万ウォン、1ウォン=約0.1円)に上る。
支給された過誤給のうち3741件は未回収のままだ。国民年金は3年の消滅時効が存在するため、最近5年間の過誤給(232件)が消滅時効とな、回収できない。2021年に発生した過誤給のうち回収できていない15億4700万ウォン(422件)も消滅時効が成立する恐れがある。
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