2024 年 12月 21日 (土)
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[KWレポート] 私の赤ちゃん、育てない権利 (9)

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米国、ドイツ、フランスは韓国に先立って保護出産制を導入した代表的な国家だ。米国では乳児避難制(Infant Safe Haven Law)、フランスでは匿名出産制、ドイツでは信頼出産制(または秘密出産制)などそれぞれ異なる名称で呼ばれている。ただ、妊娠と出産で危機状況を経験する妊婦の健康と安全を保護し、乳児の生命を保障する、という制度の趣旨は同じだ。

◇「生母を知る権利」認めるか

米国で初めて乳児避難制が導入されたのは1999年にテキサス州で導入された「乳児避難所法」だ。当時、米テキサス州で乳幼児遺棄や死亡事件が相次いで発生したのが原因となった。

2008年以降、アラスカ、ネブラスカ州が赤ちゃん避難所法を採用し、米国は50州すべてに乳児避難制が定められた。

州ごとに内容は少しずつ異なるが、米国の乳児避難制は、生後72時間または50日以内の幼児を、決められた「避難所」に放置する行為に対する刑事責任の免責、女性の匿名性保障を主な内容としている。

◇匿名出産に支援

フランスは1941年に匿名出産制を導入した。第2次世界大戦中にドイツ軍の子どもを妊娠したフランス女性の恐怖やストレスを減らすための措置として制定されたという。フランスは匿名出産制により、1990年代~2000年代初めには、年間約600人の子どもが生まれたといわれる。

フランスでは、生母が本人の身元に関する記録を残さず、乳児を残したまま医療機関を離れることができる。出産前に匿名出産を要求すれば、入院費、出産費の支援を受ける。乳児は、生母が養子縁組を承諾をすれば、児童保護施設に運ばれ、国家による後見を受けることになる。2カ月経過時には養子縁組手続きを踏む。この2カ月の間に、生母は養子縁組の承諾意思を撤回でき、再び子どもを連れて育てることもできる。

(つづく)

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