北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は昨年12月27日から5日間開かれた年末の朝鮮労働党中央委員会総会で、南北関係と対外事業で堅持すべき「原則的問題」を提示した、と言及した。ただ具体的な内容は公開されなかった。
党機関紙「労働新聞」は1日、キム総書記が「2022年度党と国の事業の方向について」で「多事多変した国際政治の情勢と周辺環境に対処し、北南(南北)関係と対外事業部門で堅持すべき原則的問題と、一連の戦術的方向を提示した」と明らかにした。
ただ同紙はこれ以外には対南、対外関連の内容は具体的に公開していない。
同紙は、キム総書記が国防について「戦闘的な課業」を提示したと伝えた。「日増しに不安定になりつつある朝鮮半島の軍事的環境と、国際情勢の流れは、国家防衛力の強化を少しも緩めることができず、強力に推進することを要求している」「人民軍では全軍を党中央の革命思想で一色にし、党中央の指導に絶対忠誠、絶対服従する革命的党軍として強化するための事業を絶えず深化させる」ことを要求した。
また「訓練第一主義と武器、戦闘技術機材を常に動員する準備、鋼鉄のような軍規確立に集中せよ」と述べた。
さらに軍需工業部門では「(昨年1月の)党大会決定を高く奉じて、成し遂げた成果を拡大し続けながら、現代戦にふさわしい威力のある戦闘技術機材の開発・生産を力強く推し進め、国家防衛力の質的変化を強力に進め、国防工業の主体化、現代化、科学化の目標を計画的に達成していかなければならない」と強調した。また「現代戦の要求に合わせ、民間防衛力を強化するための決定的な対策を立てながら、訓練革命を起こし、労農赤衛軍指揮メンバーの軍事的資質と指揮能力、民間武力の実践能力を高めるべきだ」と述べた。
これらを総合すると、キム総書記が昨年9~10月に明らかにした対話条件である「二重基準」や「対北朝鮮敵視」の撤回が再び強調された可能性が高いとみられる。自衛的国防力強化の方針を続けながら、米韓の態度変化がまず先だという態度を維持されるものと予想される。
先月27日に始まった今回の総会は、キム総書記の司会で開かれ、初日に既にその年の事業総和と今年の事業計画に対する「結論」を出したが、1日になって具体的な内容を公開した。
今回の総会には▽21年度の主要な党および国家政策執行状況総括と22年度事業計画▽21年度国家予算執行状況と22年度国家予算案▽社会主義農村問題の正しい解決に向けた当面の課題▽党規約の一部条項修正▽党中央指導機関メンバーの21年下半期党組織思想生活状況▽組織問題――計6つの議案が上程された。
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