「看板もないし、入り口も見つからないね」
ソウル市龍山区(ヨンサング)梨泰院洞(イテウォンドン)に正体不明の建物が建設された。表に看板がなく、外壁とドアの色も似ていて出入り口を探すのにも苦労する。
実はこの建物は「キョチョン筆房(ピルバン)」といい、韓国チキン大手のキョチョンF&Bが8日にオープンさせた「スピークイージー・バー」(Speak easy Bar)と呼ばれる新しいタイプの店舗なのだ。
スピークイージー・バーは1920~30年代の米国禁酒法時代にできた無許可居酒屋や酒類密売店を指す単語に由来し、知っている人のみ訪れることができる秘密の店だ。最近MZ世代(1980年代半ばから2010年ごろまでに生まれた世代)の間で流行しているという。
キョチョンチキンはスピークイージー・バーが外食トレンドとして定着していることに目をつけた。
「キョチョン筆房」はキョチョンチキンのフラッグシップストアとして開店した。独特な空間経験と差別化された味を楽しめるというコンセプトで、既存のメニューに加え、「筆房スペシャルチキン」と「ボンチョチキン」など新メニューも用意した。
店内にはさまざまな公演が楽しめるラウンジ「DJゾーン」があり、鶏肉の特殊部位を活用したさまざまな料理を披露するコーナーもある。
キョチョンチキンは「キョチョン筆房」を前面に押し出して人気回復を目指す。ただ、トレンドを追ってばかりいるのではないようで、キョチョンF&Bのチン・サンボム特殊事業本部長は梨泰院を選択したことについて「若年層の流入を考えれば、これほどの場所はないと判断した」という。
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