これまで、生成AI(人工知能)業界に参入してきたのは、米オープンAIやグーグル、メタなどのグローバルビッグテック企業だ。
果たして、スタートアップにも参入の機会があるだろうか。
専門家らは、ビッグテックとスタートアップでは、競争領域が違うと見ている。ビッグテックは生成AIのインフラ格である「ファンデーションモデル」開発に集中する一方で、スタートアップはこれを活用したり、特定領域の生成AIを設計してサービスを提供したりするとみている。
◇「ビッグテック・超巨大AI開発」「スタートアップ・サービス商用化」でバリューチェーン構築
ビッグテックが主導的に開発中の「ファンデーションモデル」は、数多くのパラメータとデータを基盤とする超巨大AIのことだ。オープンAIの「GPT-3.5」、グーグルの「BERT」、ネイバーの「ハイパークローバ(Hyper CLOVA)」、カカオの「KoGPT」などがこれに該当する。
人間の脳のように数千億個に達するパラメータを処理しなければならず、学習しなければならないデータも膨大だ。資本力が相当なビッグテックでなければ挑戦しにくい面がある。
これに対し、スタートアップは、主にファンデーションモデルを活用して新たなサービスを作る。GPT-3のAPIを基盤にコピーライトを生成する米国のユニコーン企業ジャスパー(Jasper)が代表的だ。ファンデーションモデルの使用量に応じて費用を支払うが、それほど負担になる水準ではない。SaaS(サービス型ソフトウェア)企業がマイクロソフト、AWSなどクラウドインフラを活用するのと似ている。
ビックテックのファンデーションモデルを活用せず、生成AIのアーキテクチャ(構造)を直接設計するところもある。業界関係者は「ビッグテックのようにパラメータとデータを膨大に抱え、汎用モデルにすることはできない。しかし、特定領域での生成AIアーキテクチャ設計は、スタートアップでも可能だ」と話している。
◇随所に使われるテキスト生成AI
韓国でも生成AI技術を活用し、独自の事業モデルを作るスタートアップが注目されている。最も活発な分野はテキスト生成分野だ。「Artificial Society」「Wrtn Technologies」「Allganize Korea」「Skelter Labs」などが代表的だ。
細部の事業モデルはすべて違う。GPT-3.5を活用して作った「チャットGPT」のように質問を入力すれば答えてくれるチャットボットは、生成AIの代表的な領域だ。「Allganize Korea」は、企業の役職員などが業務に活用できるチャットボットを開発している。独自開発したNLP(自然語処理)によるAI技術で質問への理解力を高めた。「Skelter Labs」は、企業が顧客応対などに使用するチャットボットを提供する。情報提供とともに共感能力を強化したのが強みだ。その他、「Skelter Labs」「TUNiB」などもテキスト分野の生成AIを開発している。
「Artificial Society」と「Wrtn Technologies」は、生成AIを活用して長文のテキストを作る。その中でも「Artificial Society」が特化した領域は、教育用テキストだ。AIで英語教育用文章、質問紙などを生成する方式だ。一方、「Wrtn Technologies」は企業の広告コピー、採用公告、ブログのポスティングなどに活用されるビジネステキストを主に提供している。
(つづく)
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