――スモールキャップレポートに対する市場の反応はどうか。
パク・ギヒョン氏 情報を入手しにくいスモールキャップについて詳しく説明する報告書をまとめたところ、個人投資家らが企業を研究する資料として多く活用しているようだ。個人ブログなどで私たちの報告書を引用する場合が多い。機関投資家たちもジュニアマネージャーたちの指針書として私たちの報告書を多く活用していると聞いた。
――他の証券会社と差別化した韓国IR協議会企業リサーチセンターならではの強みは何か。
パク・ギヒョン氏 まず言えるのは、私たちが発刊したレポートは買収・売り意見や目標株価がない。証券会社の報告書は、投資意見を提示するのに売り意見がないという批判が多い。どうしても営利を追求するという点で、企業の顔色をうかがわざるを得ないためだ。企業リサーチセンターは非営利機関であり、投資意見を出していないため、むしろアナリストの所信通り、レポートを書くことができる。
もう一つの強みは、詳細かつ簡単に書くことだ。証券会社のスモールキャップ報告書は普通1~2ページにとどまる場合が多い。私たちの資料は20ページ前後の詳しい報告書だ。企業概要だけでなく、産業の現状や投資ポイント、業績展望、バリュエーション(実績比株価水準)、リスク要因まで扱う。難しい株式用語と技術用語は、個人投資家が理解しやすい表現に変えて使おうと思う。投資意見や目標株価は提示しないが、レポートを几帳面に読めば、投資家なりの判断ができるよう詳しく記述する。
――パク・キヒョン氏はかつて「鉄鋼金属アナリスト」として有名で、証券会社のリサーチセンター長も務めた。韓国IR協議会企業リサーチセンターに移籍した理由は?
パク・キヒョン氏 約30年ほどセクター(産業分析)アナリストを務め、証券会社のリサーチセンター長を9年ほど務めた。リサーチセンター長は、セクターより、マクロ経済を見なければならないため、セクター出身のアナリストがリサーチセンター長になれば適応が難しい。
証券会社のリサーチセンター長を務めながら、セクター分析をもっとしたいと思った。職場生活の仕上げをどうするか悩んだ末、個人投資家に役立つ仕事をしたかった。個人的にはセクターに強いため、企業分析だけに没頭できる韓国IR協議会企業リサーチセンターに来ることになった。
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