最近、「K-POP界のガールズアベンジャーズ」と呼ばれるグループ「GOT the beat(ゴットザビート)」の初ミニアルバム「Stamp On It」を巡り、SMエンターテインメントのファンの間で論争が起きた。
GOT the beatは、SM所属の女性アーティストたちがテーマ別に新たなユニットを組むプロジェクト「Girls On Top(GOT)」の初ユニットだ。昨年1月に発表した初シングル「Step Back」で話題になった。「韓流の開拓者」であるBoA(ボア)をはじめ、「少女時代」のテヨンとヒョヨン、「Red Velvet(レッドベルベット)」のスルギとウェンディ、aespaのカリーナとウィンターら、SMを超えてK-POPシーンを代表する女性アイドルが団結した。破壊力は大きかった。
ところが、今回のアルバム「Stamp On It」は話題性に欠けていた。ビッグなメンバーを集めておきながら、メロン「トップ100」に少し入っただけで、すぐランキング外となった。海外チャートでも大きな力を発揮できなかった。SMのイ・スマン氏のプロデュースとユ・ヨンジン理事のミュージック&スーパーバイザーが作り出した「SMP無用論」が、ファンの間で上がり出始めた。
◇歌と振り付け、最適に混合
SMのミュージックパフォーマンス、すなわち「SM Music Performance(SMP)」は、SM音楽哲学の結果物である。
SMPはSM所属ミュージシャンの歌、振り付けを最適に混合したスタイルを指す。ダイナミックなパフォーマンスを誘導する華やかなダンス音楽、ここには社会批判的な内容の歌詞も含まれる。
難解だがサウンド・メッセージが塊となって舞台の上に広がり、爆発力を生み出した。「広野(KWANGYA)」(SM歌手が集まっている世界観)に追従する「スムドク」(「SM」を「スム」と読み、オンラインでSMマニアを指す)あるいは「ピンクブラッド」(SMのアーティストとコンテンツを応援するファンダム)が量産された。
K-POP企画会社の中で、歌手だけでなく会社自体でファンダムを従えているのは、1996年の男性アイドルグループ「H.O.T.(エイチオーティー)」から始まる歴史を築いてきたSMだけだ。
◇「歌詞が理解できない」
H.O.T.からはじまり「東方神起」「EXO」「NCT」「aespa(エスパ)」などがSMPの系譜を引き継いだ。SMボーイグループメンバーの連合体である「SuperM」と「GodderBeat」が、このSMPの頂点にある。
だが「GOT the beat」のアルバムタイトル曲「Stamp On It」に対して批判が相次いだ。R&B、ヒップホップ基盤のサウンドは耳に慣れず、「モナリザ・スマイル」「愛くるしい瞳」「君の軌道を壊す」などの歌詞は理解できない――などの反応が、SM忠誠心の強いマニアであるスムドクとピンクブラッドの間でもあふれた。
SMPの最新版であるaespaの最近の成績不振にも「がっかりした」との声が上がった。K-POP第4世代ガールズグループの先陣を切ったaespaのミニ2集「ガールズ」は、K-POPガールズグループで初めて初動100万枚を越え、米国ビルボードメインアルバムチャート「ビルボード200」で3位となった。だが、アルバム自体に対する評価は前作より低かった。
特にSM理事出身である「ADOR」のミン・ヒジン代表が作り上げた「NewJeans(ニュージーンズ)」が、SM初期ガールズグループの「S.E.S.(エスイーエス)」などをほうふつさせる「イージーリスニング」音楽だったため、aespaファンの不満がさらに高まった。aespaのカリーナとウィンターのような魅力的なメンバーが属しているにもかかわらず、一般には理解しにくい強いSMPコンセプトだけが前面に出て、潜在的な力はあるのにチームが注目されにくいというのが不満の柱だ。
(つづく)
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