ソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故(昨年10月)のソウル広場焼香所をめぐり、遺族側が12日、市の提案を拒否したことで、市が15日午後1時以後に強制撤去する可能性が出てきた。
遺族側は今月4日、事故100日を前に追悼大会を開き、ソウル市龍山区(ヨンサング)の緑沙坪(ノクサピョン)駅近くの梨泰院公園合同焼香所からソウル広場まで行進し、その際、同広場に予告なしに焼香所を設置した。市が光化門広場内の追慕空間の設置を許可しなかったため、遺族側は「やむなくソウル広場に焼香所を設置した」という立場をとっている。
一方、焼香所がソウル広場の使用許可を取らずに設置されたため、市は「不法施設物」と規定し、当初は6日午後1時までに自主撤去されなければ行政代執行に乗り出すという強硬対応を示した。これに対し、遺族側は猛反発し、「市民の追慕の邪魔をせず、焼香所運営に協力すべきだ」と要請している。市としても強制撤去は現実的ではないとの見方もあり、期限を15日午前まで先送りし、引き続き、自主撤去を求めている。
市は9日、市民を対象に、光化門広場またはソウル広場の焼香所に対するアンケート調査を実施した結果、反対が60.4%で、賛成37.7%を大きく上回った。
こうした状況のなか、ソウル市議会のキム・ヒョンギ議長は10日、ラジオインタビューで「ソウル市と接点がなければ議会が乗り出すこともありうる」として仲裁する意思があることを明らかにした。
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