朝鮮半島最高峰の白頭山(ペクトゥサン)=中国名・長白山=は、北朝鮮両江道(リャンガンド)三池淵(サムジヨン)と中国吉林省延辺朝鮮族自治州にまたがる。標高約2750mで、山頂にあるカルデラ湖「天池」が神秘的な装いを見せることから、朝鮮民族の信仰の対象となっている。
韓国で先日、ある芸能番組に講演者として出演したある科学コラムニストが、この白頭山に触れた。
「世界の科学者たちが注目する火山がある。人類史上で5回だけ巨大噴火を起こし、近年、再爆発の可能性が高まっている火山だ」
白頭山噴火の可能性に言及したのだ。
これに対し、科学者たちは白頭山爆発の可能性を「100%」と見ているといい、「火山爆発は、もう他人事ではない」と強調した。
番組放送後、インターネットコミュニティやSNS上にはこの話題についての書き込みがあふれ、白頭山噴火問題が大きな話題となった――。
◇相次ぐ火山・強震活動、広がる憶測
白頭山の火山活動に関心が集まっている。
その理由の一つとして、地中の気流が尋常でないことが挙げられる。最近、世界各地で大規模な地震と火山噴火が相次いでいるのも、そのためとみられる。
昨年は、1月のトンガ海底火山の噴火から始まり、7月には日本の桜島火山、12月にはインドネシアのスメル火山が噴火した。
スメル火山は2021年12月にも爆発しており、51人の死者を出した。1年を置いての再噴火によって、東ジャワ島住民2000人余りが緊急避難する事態となった。
局地的に強い地震も続く。昨年10月、メキシコではマグニチュード(M)7.7、11月にはインドネシアM5.6の地震が発生し、甚大な被害をもたらした。
これらの地震と火山活動の大部分は、太平洋を囲むように広がる「環太平洋造山帯」で発生している。もともと火山活動などが盛んな場所だが、近年はより活発になっている。
韓国では最近、済州(チェジュ)島の西帰浦(ソグィポ)や忠清北道(チュンチョンプクド)槐山(クェサン)、仁川(インチョン)の江華(カンファ)などで地震が続く。ネット上では、これらの動きが2025年の白頭山大爆発を暗示しているのではないか、との懸念が広がっている。
白頭山の「2025年噴火説」は、白頭山噴火の100年周期説がベースになっている。
白頭山は946年に大爆発して以来、この1000年間で、少なくとも100年に1回以上噴火している。この仮説に従えば、直近の噴火が1925年のため、2025年の爆発が予想される――というわけだ。
(つづく)
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