韓国の研究チームがロボットによって検体を非対面採取し、40分以内に分子診断できる技術を開発した。
韓国機械研究院(機械研)はこのほど、医療機械研究室のイ・ドンギュ博士研究チームがこのような研究成果を出したと明らかにした。ロボットと高速分子診断装備を連動させ、遺伝子抽出前処理、迅速遺伝子増幅(PCR)などを可能にした。
世界各国では新型コロナウイルス感染とサル痘などの新種・変種感染症の発病が続いている。これにより、医療スタッフは感染症患者を迅速に診断しなければならない業務で過大な負担を負っている。また、従来の対面検体採取および移送、分子診断まで12時間以上かかるという制約があった。
特に、これまで分子診断速度を高めるためにナノ粒子を活用した光熱(phothermal)を利用した高速熱周期技術、微細流体を利用した高速熱周期技術が試みられた。しかし、リアルタイム定量分析が難しく、チップ素材の製造単価が高く、現場での利用には困難が伴った。
韓国機械研究院の研究チームは、これを解決するために検体採取ロボットと一体型高速全自動分子診断システムを結合させた。高速システムは少量の検体だけを繰り返し加熱・冷却して遺伝子を増幅し、従来の装備に比べ4.2倍速い速度を示した。リアルタイムPCR分析結果も10~20分以内に得ることができた。
研究チームは実際に病原性サルモネラバクテリアと新型コロナウイルス感染の診断を通じて性能を検証した結果、検体採取から分子診断までバクテリアDNAは25分、新型コロナウイルスRNAは40分以内で分析できた。正確度は従来の分子診断装備とほぼ同じだった。
イ・ドンギュ責任研究員は「この技術は非対面で検体採取後、検体定量注入、遺伝子抽出前処理、高速分子診断全過程に全自動診断技術が適用され、現場で非熟練者も簡単に使用できる。これを選別診療所、空港、応急措置の環境などで活用すれば、感染症を事前予防し拡散を防ぐことができるだろう」と説明した。
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