現場ルポ
韓国文化体育観光省と韓国コンテンツ振興院は、仮想公演に参加できる「感情表現が可能な疎通型アバター」の技術開発を国策として推進する。仮想環境で感情豊かなアバターがアーティストらと相互作用を起こすことで、公演の臨場感をより実感できるようにして、グローバル韓流文化コンテンツファンを引き込むのが狙いだ。
◇仮想公演をよりダイナミックに
韓国の視覚効果(VFX)専門系列会社「エンジンビジュアルウェーブ(Engine visual wave)」は2日、弘益(ホンイク)大や通信大手KTと共同のコンソーシアムが今回の国策課題の主管事業者に選ばれたと明らかにした。
今回の国策課題は、仮想公演のリアルな観客アバターを生成する技術開発を推進すること。3年にわたって32億ウォン規模の予算が投入される。
最近はコンサートをはじめ、新作プロモーション公演であるショーケース、ファンサイン会などの公演文化がオフラインとオンラインで並行して進められており、仮想空間でのアーティストと観客のコミュニケーションに対する需要が高まっている。
エンジンビジュアルウェーブの関係者は「アーティストや舞台演出と積極的に反応するアバター観客は、仮想公演をよりダイナミックにする。一つのコンテンツを完成させる重要な要素として位置づけられる」と見通している。
◇K-コンテンツのグローバル公演に寄与
高品質VFX制作専門のエンジンビジュアルウェーブは、主管機関として課題の中心技術であるデジタルヒューマン(仮想人間)制作技術の開発のほか、観客アバターのリアルな相互作用技術を開発している。
弘益大は豊富な仮想公演の経験と専門人材をもとに、公演企画や音響技術開発を担当する。
デジタルプラットフォーム企業であるKTは、大規模インフラやネットワーク技術を確保し、多重ユーザー接続の仮想公演モデルサービスを担当する。
エンジンビジュアルウェーブR&D研究所「LAB51」のソン・ジェウォン所長は「感情表現が可能な疎通型アバターによって、より高い次元の公演体験に加え、新たな産業のチャンスの創出が可能になると期待している。K-コンテンツのグローバル仮想公演の活性化に寄与すべく、技術開発に向けて努力する」と語っている。
エンジンビジュアルウェーブは、韓国の映画制作「ネクスト・エンターテインメント・ワールド(NEW)」の系列会社で、映画やドラマ、グローバルOTTコンテンツにおける視覚特殊効果を拡大している。また「LAB51」によって、デジタルヒューマン、バーチャルプロダクションなど、メタバース関連の重要な技術を開発し、事業領域を拡張している。
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