2024 年 11月 26日 (火)
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[Kアート&本] アイスカプセルVS北野唯我 (下)

パク・ソンミン, アイスカプセル, 2007, 캔버스에 유채, 91×116.8cm©NEWSIS

画家のパク・ソンミン(54)は、自分ことをよく知っていた。

嶺南(ヨンナム)大でデザインを専攻し、美術学院の講師として暮らしていた。「郷土作家」として生きようと思う一方で、心を突き抜ける「限界のない才能」を自らが理解していた。

大学を卒業して10年後となる2000年、弘益(ホンイク)大絵画科に入学した。人より遅れた学生生活を送りつつ、彼は賞を総なめにした。東亜美術祭、申師任堂(シンサイムダン)美術展に続き、大韓民国美術大展で大賞(2004)を獲り、遅咲きの才能を輝かせた。

氷の中に閉じ込められた緑色の「サルトリイバラ」の絵は圧倒的だった。氷の絵は、苺とブルーベリーを凍らせ、みずみずしさをアピールした。

作品名は「アイスカプセル(Ice Capsule)」。2006年から、陶器に入った氷の絵は美術市場を虜にした。見たままを描くのは、手先の器用さを誇るにすぎないという皮肉も乗り越えてきた。

氷から突き抜けるようなみずみずしさは、写実主義に息を吹き込んだ。加えて視覚的な喜びもプレゼントする。観賞する人は、おのずと体を傾ける。写真なのかどうか……。肩を下げてぴったり近づき、目をこすり……。お互いに“生きているね”を確認する。

「氷のイメージは、一定のルールの中に閉じ込められ、アイデンティティを失った現代人の人生に対する比喩だ」

果物の「生命の時間」と、白磁(陶器)の「消滅の時間」を盛り込んだ「アイスカプセル」は、パク・ソンミンの自画像だ。

画家としての強靭な生命力を象徴している。氷は永遠の瞬間をさらに延ばすことができる、という希望だ。

時間さえも止めてしまう絵画の力。生命の絶頂を捉えた「アイスカプセル」は言う。「氷のように冷たい現実だが、自由を願い、原始的希望を渇望せよ」と。

©NEWSIS

◇「人間関係の構造に関する科学書」

「肝に銘ぜよ。他人の言葉を捨てて、自分だけの言葉という最強の武器を持たなければならない。そうすればあなたの才能を花咲かせることができるでしょう」(176~177ページ)

書籍「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ」(北野唯我)は、人間の種類を天才、秀才、凡人という3つのカテゴリーに分けて説明している。

著者が言うには、われわれみなが自分だけの固有の才能である“創造力”を持って生まれている。ただ、才能があるにもかかわらず、それを社会で実行する前に、自分自身が殺してしまう。

よくある自己啓発書としてみることもできる。ただ、日本では13万部も売れた書籍だ。組織に属したことのある人々が共感し書評を残した。「人間関係の構造に関する科学書」だと。

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