
韓国の電子大手サムスン電子が2025年、過去最大となる約38兆ウォン(約4兆1800億円)を研究開発(R&D)に投じたことが分かった。主力の半導体事業が長い低迷から回復し、2026年初めには第6世代の高帯域幅メモリー(HBM4)の量産出荷に世界で初めて成功するなど、技術競争力の回復を図っている。
また業績回復を背景に、社員の平均年収は約1億5800万ウォン(約1738万円)となり、前年より約2800万ウォン(約308万円、21.5%)増加した。平均年収が1億6000万ウォン(約1760万円)に迫る水準となり、過去最高を更新した。
サムスン電子が10日に公表した2025年事業報告書によると、昨年の研究開発費は37兆7548億ウォン(約4兆1530億円)で、このうち政府補助金を差し引いた37兆7404億ウォン(約4兆1510億円)を費用として計上した。前年より約7.8%増加し、単純計算で1日平均1000億ウォン(約110億円)以上を技術開発に投入したことになる。売上高に占める研究開発費の割合は11.3%だった。
知的財産の確保にも力を入れており、2025年は韓国で1万369件、米国で1万347件の特許を登録した。前年より韓国では2565件、米国では1121件増えたほか、米国では462件のデザイン特許も取得した。
設備投資も積極的に進めた。2025年の設備投資額は52兆6511億ウォン(約5兆7916億円)で、半導体とディスプレー分野を中心に当初計画より5兆ウォン以上拡大した。
半導体部門であるデバイスソリューション(DS)に47兆4764億ウォン(約5兆2223億円)、ディスプレー部門に2兆7970億ウォン(約3077億円)、その他投資に2兆1225億ウォン(約2335億円)を投入した。京畿道・器興キャンパスで建設中の最先端研究開発複合団地「NRD-K」など、将来の生産基盤の拡充も進めている。
こうした投資は業績の回復にもつながっている。2025年の年間売上高は333兆6059億ウォン(約36兆6966億円)、営業利益は43兆6011億ウォン(約4兆7961億円)で、それぞれ前年より10.9%、33.2%増加した。年間売上高が330兆ウォンを超えるのは初めてで、過去最高となった。
特にサムスン電子は2026年2月、HBM4の量産出荷を世界で初めて開始し、次世代AI半導体市場での競争力回復を印象付けた。HBM4には最先端の1c DRAM(10ナノ級第6世代)工程を導入し、量産初期から高い歩留まりと業界最高水準の性能を確保したとされる。
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