
「これ、ARMY(ファン)全員におすすめ表示されたの?」「BTSの5thアルバム名が出た瞬間に駆けつけたARMY、手を挙げて!」
韓国のグループ「BTS(防弾少年団)」と所属事務所BIGHIT MUSIC(ビッグヒット・ミュージック)が、5枚目のフルアルバムのタイトルを『アリラン(ARIRANG)』と公式発表したのは先月16日。発表直前から、ファンダム「ARMY」の間で“アリラン”との関連性が拡散され、韓国の伝統公演芸術振興財団(KOTPA)のYouTubeチャンネルに海外からのアクセスが急増した。
特に2014年に公開された映像「The Story of Arirang」の再生回数が急伸。ユネスコ無形文化遺産登録を記念して制作された約8分の同動画は、アリランの起源、継承、多様性、そして韓国特有の情緒「恨(ハン)」までを簡潔に紹介する内容だ。
過去11年で約20万回だった累計再生数は、この1カ月で約4万回増加。流入元は日本、米国、インド、ドイツ、フィリピン、英国、カナダなどに広がった。
同財団は「BTSを通じて世界の人々がアリランの意味を知り、希望と慰めを受け取る象徴的な動き」と評価する。
BTSはこれまでも音楽と舞台で「韓国的アイデンティティ」を洗練された形で提示してきた。代表曲「IDOL」では国楽の掛け声や伝統芸能を取り入れ、メンバーのSUGA(シュガ)=ソロ活動名Agust D=は、楽曲「大吹打」において、韓国文化体育観光省傘下の国立国楽院が演奏・録音した伝統軍楽をサンプリングした。これにより、韓国伝統音楽の壮麗さを世界市場に届け、伝統文化の現代的再解釈として高く評価された。
2020年、米NBCの深夜人気トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』で披露された景福宮(キョンボックン)でのパフォーマンスは、“韓国的美学の頂点”と評された。来月のカムバック舞台に予定されている光化門(クァンファムン)広場では、王と民が交わった場である「月台(ウォルデ)」を舞台空間として再解釈。伝統的な歴史空間を“回復と再接続”の象徴へと昇華させる。
空港ファッションで話題となった生活韓服や、英ロックバンドへの改良韓服の贈呈なども、伝統衣装を“博物館の遺物”から“日常のヒップな装い”へと転換させた事例だ。
こうした動きに応答するARMYの姿勢は、「学ぶファンダム」だ。BTSの音楽は単なる娯楽ではなく“読み解くべきテキスト”。ファンはヘルマン・ヘッセ『デミアン』やユング心理学を参照し、いまやアリランのユネスコ登録の意味や韓国の「恨」の情緒まで掘り下げる。
音楽評論家は「K-POPアーティストが“韓国的なもの”を前面に出すことで、国内での伝統文化観も大きく変わる」と指摘。「かつて周縁化された伝統が、同時代的感覚で再解釈され、誇り得る文化コードとして再定義されつつある」と分析する。
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