
「今年の旧正月は実家に帰らず、家でたまっていたドラマを見ながらゆっくり休む予定です。家族の小言より、自分の時間のほうが大切なので」
韓国・大邱市中区で一人暮らしをする会社員(30)は、今回の連休を一人で過ごすことに決めた。いわゆる「ホンソル族(旧正月を一人で過ごす人々)」を自認する。こうした“帰省せず、ひとり休暇”を選ぶ人が増え、旧正月の風景が変わりつつある。
北区在住の会社員(33)も「大邱マラソンに向けてランニングに集中する」と話す。「両親とは一度食事をするが、それ以外の時間はマラソンの準備や個人の予定に充てたい」と語った。
◆大邱の単身世帯、4割超に
行政安全省によると、2024年末時点で大邱の単身世帯は全110万4130世帯のうち44万3045世帯で、全体の40.1%を占めた。単身世帯の比率が4割を超える中、旧正月を一人で過ごす文化が日常の一部として定着しつつある。
かつては「寂しい連休」という印象が強かったが、最近は20~30代を中心に、旧正月を自己啓発やリフレッシュの時間と捉える傾向が鮮明だ。
◆「家で休む」が最多回答
データコンサルティング会社PMIが実施した旧正月連休の計画に関する調査では、「自宅で休息」が44.7%で最多となり、伝統的な「実家訪問」(33.6%)を上回った。
このほか、国内旅行(16.5%)、文化活動(15.3%)、自己啓発(9.7%)、出勤(6.2%)、海外旅行(4.1%)などが続いた。「まだ計画がない」との回答も19.9%に上った。
社会人になったばかりのキム・ミンジェ氏(27)は「普段忙しくてできなかったことをする“自分だけの連休”が目標」と話す。「映画やドラマを一気見し、ジムに通ったり、自宅で運動したり、オンライン講座で勉強もしたい」と語った。
食事は「デリバリーや簡単なミールキットを利用する予定」とし、「最近は一人向けの小分け正月料理や簡便食も充実しているので、雰囲気を味わいながら気軽に過ごせる」と話した。
◆流通業界も“ホンソル族”争奪戦
こうした変化に合わせ、流通業界の動きも活発だ。地域のコンビニは単身世帯向け「旧正月弁当」を発売し、大型スーパーは小分けの供え物セットや簡便食品を拡充。
動画配信(OTT)各社は“連休一気見”向けコンテンツを強化し、フードデリバリーアプリも「一人前対応の営業店舗」情報を前面に打ち出して需要の取り込みを図っている。
心理専門家は「家族関係の形が変わり、個人の生活を重視する価値観が広がる中、旧正月に伴う“集団的義務感”は次第に弱まっている」と指摘。「ホンソル族の拡大は単なる孤立ではなく、現代人の新しい休息スタイルであり、文化的現象だ」と分析している。
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