2026 年 1月 18日 (日)
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「無薬村」解消へ…韓国政府が14年ぶりに上限撤廃含む「常備薬制度」改定へ

ソウル市内のコンビニエンスストアの医薬品コーナー(c)MONEYTODAY

韓国政府が推進する今回の薬事法改正案は、単に常備薬の販売場所を拡大するにとどまらず、2012年の制度導入以降14年間、事実上手付かずだった制度全体の構造に手を入れようとする試みであると評価されている。

常備薬制度は、深夜や早朝に薬局が閉まっていても、24時間営業のコンビニエンスストアで最低限の医薬品が購入できるようにするという趣旨で2012年に導入された。しかし実際には制度がその目的通りに機能せず、地域ごとの医薬品へのアクセス格差が拡大する結果となった。

保健福祉省によると、全国の3636の邑・面・洞(町村に相当)のうち、薬局と常備薬販売店が共に存在しない、いわゆる「無薬村」が556カ所にのぼる。制度は存在していても、最も医薬品アクセスが必要とされる地域が制度の対象外として放置されてきたわけだ。

さらにこの間、制度改善に関する政府や国会の議論が停滞していた影響で、既存の販売店も1200カ所以上減少した。これは、コンビニエンスストア業界の成長停滞と収益性悪化により地方店舗の廃業や再編が進んだこと、さらに残存店舗も人件費負担などを理由に24時間営業をやめるケースが増えていることに起因している。

今回の改正案では、こうした「無薬村」に対して24時間営業要件の例外を認める規定が盛り込まれた。薬局も常備薬販売店もない地域では、24時間営業の義務を外すことで、最低限の常備薬へのアクセスを確保しようという狙いがある。

改正案では、常備薬の品目数に関する運用方式も見直す。現行の薬事法では常備薬の品目を20以内に限定しているが、制度導入以降、実際に運用されているのは13品目にとどまり、現在では生産中止などの影響で11品目しか販売されていない。しかも、その構成も風邪薬や解熱鎮痛剤に偏っており、実生活での需要と乖離しているとの指摘が続いていた。

このため、改正案では品目数を法律で固定せず、今後は大統領令に委任することで制度の柔軟性を持たせる方針だ。これは即時的な品目拡大を意味するものではなく、将来的な議論の余地を確保するための措置とされる。実際の品目拡大を巡っては、薬剤師団体と消費者団体の間で意見の衝突が避けられない見通しだ。

(c)MONEYTODAY

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