2026 年 2月 17日 (火)
ホーム社会「体を動かした分だけ稼げる」…AI時代、「汗の価値」を再発見する韓国の若者たち

「体を動かした分だけ稼げる」…AI時代、「汗の価値」を再発見する韓国の若者たち

電動グラインダーを使って木材を切るペ・ジェウクさん(c)MONEYTODAY

AI技術の急速な普及が進む中、韓国では身体を使って働く「ブルーカラー職」に魅力を感じ、進んで選ぶ若者たちが増えている。

京畿道安山市のカフェ改装現場。3人の若い大工が、木材を用いて新店舗の空間づくりに励んでいた。現場は木くずが舞い、寒さの中でも換気のため扉は開け放たれていた。だが、彼らの表情は明るい。

30歳の大工、ペ・ジェウクさんはもともと3Dデザインを学んでいたが、兄の勧めで大工の道に進んだ。「大企業に就職しても、毎日決まったバスで通勤し、昼休みだけを楽しみにする生活には幸せを感じられなかったと思う」と語る。今では昼食をとりながらも「どう作業を進めようか」と頭を巡らせるほど充実感を持っているという。

女性大工のイ・ジンヒさん(29)は「大工はただ体を使う仕事ではない。頭脳や几帳面さも必要」と話す。

別の若手大工クォン・ドフンさん(24)は、以前は動物病院で勤務していた。「あの職場では仕事に魅力も将来性も感じられなかった」と語る。現在は手に傷を負いながらも、「働いた分が収入に直結する」今の仕事に大きなやりがいを感じているという。

3年目のノ・セグァンさん(28)も「年数よりも技術が重視される世界。ゼロから空間を作り上げる達成感がある」と語る。

彼らは20~30代で構成される若手大工チーム「月火水木匠」のメンバー。自律性が高く、手に職がつく職業として注目を集め、応募は1日3~20件にのぼるという。

大工専門学校への関心も高まっている。首都圏の木工専門学園の代表は「20~30代が受講者の8割を占め、倍率は最大10倍に達したことも」と語る。事務職に就いていたが精神的に疲れ、転職を目指す若者も多いという。

専門家も、大工のような職業はAI時代でも代替が難しく、今後の社会において重要な役割を担うと指摘する。

中央大学のイ・ビョンフン名誉教授(社会学)は「韓国ではこれまで“大学に行ったらホワイトカラー職”という風潮があったが、今の若者は世間体よりも現実的かつ合理的に進路を選ぶようになっている」と語り、若者たちの「ブルーカラー志向」が、過度な学歴社会の是正に一石を投じる可能性もあると述べている。

(c)MONEYTODAY

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