2025 年 12月 8日 (月)
ホーム社会韓国・地方患者の4割超「ソウルで手術受ける」…医療人材と設備の集中が背景

韓国・地方患者の4割超「ソウルで手術受ける」…医療人材と設備の集中が背景

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ソウルで昨年、手術を受けた患者のうち約4割が他地域からの来院者だったことが、国民健康保険公団の「2024年 主要手術統計年報」で明らかになった。専門性の高い手術に対応できる医療人材や機器が首都圏に集中していることが背景とされる。

報告によれば、2024年にソウルの医療機関で手術を受けた患者は45万3784人。そのうち42.2%にあたる19万1640人が地方からの「遠征患者」で、医療費総額は1兆3592億ウォン(約1500億円)にのぼった。割合としては2023年より2.1ポイント減少したが、10年前に比べ22.2%増加しており、依然として「ソウル集中」の傾向は強い。

全国の医師の28.1%、医療機関の24.1%がソウルに集中しており、特殊医療装備の約22.4%も同様だ。これにより、高度な治療を求める患者が地方からソウルへと流れる構図が生じている。

手術だけでなく日常の診療でも同様の傾向があり、2024年にソウルの医療機関を訪れた患者1503万人のうち、623万人(41.5%)はソウル以外の住民だった。これにかかった医療費は10兆8055億ウォン(約1兆2000億円)とされる。

政府はこうした地域偏在の是正を目指し、「地域医師制度」を導入。学費や寮費などを全額支援し、卒業後は最大10年間、地方の医療機関で勤務することを義務付ける。また、「公共医科大学」の設立にも着手する方針だ。

ただ、実際に医師が現場に配属されるまでには時間がかかるため、当面は首都圏への医療依存が続きそうだ。

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