「もしかしたら別れたかもしれない」は、別れた彼女に男がタブレットを返しに行き、心に残された愛情を確認する短編映画「左を見る男」の企画が出発点になっている。
実際の映画でも重要な場面として登場する。
イ・ドンフィは「面白い話になるなのかと思った。現実的な話をそのまま見せたほうが効果的なこともあれば、ある程度の想像と非現実的な状況、アイロニーから面白さを誘発する場合も多い」と解説した。
撮影にノーメイクで臨んだという。
「メイクのチームはあったが、できるだけやらないよう努力した。スクリーンで見る俳優はそこの住人でなければならない。本当にその人物、その人に見えるよう集中するのが私の好きなやり方だ。だからこのような(現実的な)映画を撮る時は強迫的なまでに守ろうとする」
イ・ドンフィは自分の道を黙々と歩きながらフィルモグラフィーを築いている。
「私が『こういう映画があったらいいな』『こういう作品がやりたい』と言えるわけではない。選択権が与えられる俳優もいるが、私にそのような機会はなかった。その都度与えられた作品に熱中し、最終的には10年後、そして20年後に『引き受けたことを忠実にしたんだな』言われるなら、それほど素晴らしい称賛はないだろう」
そしてこう続けた。
「10年間そうしてきたが、これからも自然にやりたい。『遊んでどうするの?』の 出演前まで1年半ほど演技ができなかったことがあったし、『極限職業』の前もそうだった。 だめだと思った時に舞い込んだ作品が『応答せよ1988』だった。3回もそんな経験をすると謙虚にもなる。くよくよ病んで焦っている時より、仕事が来れば頑張るという気持ちの時にチャンスが訪れた。よく待っていればまた良い機会が来ると思う」
最近、そのような作品に再び出会った。チェ・ミンシクと共演した動画配信サービス「ディズニー+」シリーズの「カジノ」だ。
イ・ドンフィはこの共演を通じて俳優人生の転機を迎えたと表現した。
「私の俳優人生はチェ・ミンシク先輩に会う前後に分かれるようだ。先輩の演技を見て何度も圧倒され、尊敬心を持っていた。実際に呼吸を合わせてみると演技だけを磨いて職人の境地に達した俳優を見ているようだった。感動的な毎日を送った」
「先輩の足跡についていくだけだった。いつも自分のために演技をしろと言ってくれる。他のところに気が引かれる時、欲が出てきそう時に直してくれる良い先輩だ」
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