2024 年 7月 20日 (土)
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200もの料理を一つの工場で――「真のシェアキッチン」2月開設

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偉大な商社 キム・ユグ代表

キム・ユグ代表©MONEY TODAY

「通常、韓国で『シェアキッチン』というと、細かく分けた調理スペースを一つずつ賃貸するレンタル業という位置づけでした。名前に『シェア』という言葉が入っていますが、事実上、スペースそのもの以外に共有されているものはありません。『kipolo』はさまざまなブランドが共同で食材を受け取り、一つの設備でそれぞれ食品を生産する、より幅広い意味をもたせたシェアキッチンです」

キム・ユグ代表は「偉大な商社」が今年新たに立ち上げる「kipolo」についてこのように説明した。

kipoloは、シェアキッチン仲介プラットフォーム「分割キッチン」▽商圏分析を基盤とする外食創業ソリューション「PICKCOOK」――に続く「偉大な商社」にとって3つ目のプロジェクトだ。

kipoloの中核を担うのは、都心の中央に100坪規模で建設される食品工場だ。ただ、一般的な食品工場が一つの食品を製造するのとは異なり、約15のブランドの200品を超えるメニューを生産する。kipoloに食品製造を依頼したブランドが、特別なレシピや材料処理を除いて、一般的な食材の下ごしらえから調理、パッキング、配送、配達のプロセスをkipoloで共有する。

食材・生産設備のシェアは、コスト削減に加えて販売チャンネルの多角化にもつながる。該当する工場で生産された製品は▽即時配達▽オンラインミールキット配送▽サテライト店舗――という3つの流通チャンネルを活用して販売されるのだ。

キム代表は次のように説明する。

「生産過程をシェアしながらコストを削減できるだけでなく、HACCP認証設備により、製造・配達のみだったフランチャイズが、ミールキットをつくることができます。ミールキットを作っていた食品業者が配達をします。流通チャンネルも多角化できます。現在、主流となっている『レンタル型シェアキッチン』よりも、幅広い部分を共有することで、シェア経済効果を最大限、高めることができるでしょう」

◇シェア経済を極大化した「クラウドキッチン」

kipoloのビジネスモデルは既に、海外でも広まっているものだ。

情報技術(IT)企業が一つのクラウドサーバーを共有して使っていることにちなんで、「クラウドキッチン」とも呼ばれる。一般化されたビジネスモデルだが、彼らが提供することによる効用は、実に多様だ。食品の下処理から製造、パッキング、流通過程をいかに効率化するかによって、コスト削減、売上増加の効果が左右されるからだ。

「クラウドサーバー運営会社が、どれも似たようなビジネスモデルに見えても、それぞれ特徴が異なります。『偉大な商社』は『分割キッチン』と『PICKCOOK』の運営により外食業関連データを4年間蓄積してきました。kipoloはそれによって効率化させています。何百回ものテストを経て、工場をグレードアップし、効率性でいえば、韓国で一番優れていると言っても過言ではありません」

キム代表はこう胸を張った。

kipoloを通して検証された各ブランドが、「偉大な商社」内の他企業と連携することで相乗効果を得られる点も強みだという。つまり、kipoloでビジネス性を認められて生き残ったブランドやメニューは、小規模業者の創業を支援する「分割キッチン」「PICKCOOK」のプラットフォームに紹介し、好循環の効果が得られるということだ。キム代表は「ブランドは成功により効果を高め、小規模業者は検証済みのブランドとして創業できる。ウィンウィンの関係です」と話した。

◇金融専門家が飛び込んだF&Bの世界

キム代表は「偉大な商社」を創業し、「kipolo」「分割キッチン」「PICKCOOK」と、F&B(外食業)分野に勢力を広げる。だが、実は6年前まではF&とは縁もゆかりもなかったのだ。2012年に米コロンビア大大学院で国際金融を学び、2015年にはP2P(オンライン投資連携金融業)スタートアップ「レンディット(LENDIT)」を創業するなど、金融業界に携わってきた経歴のほうがはるかに長い。「今も自分がF&B専門家であるという自覚はありません」。非専門家としての姿勢を持ち続け、典型的なF&Bビジネスの形態に従わない。

「市場において、非効率的に作動する部分を見ると、それを変えたいと考えるタイプです。初期の創業費用、スペースレンタル料、人材、フランチャイズ手数料など、F&Bの創業の非効率的なところを知りました。これらを改善しよう。こう思って、この分野に挑戦しました」

キム代表の挑戦は可能性が認められ、2020年6月には、KBイノベーションハブのスタートアップ企業の育成プログラム「KBスターターズ」に選定された。

kipolo初のクラウドキッチンは、今年2月に立ち上がる予定だ。「F&B産業は食品大手企業、フランチャイズ企業、起業家がともに織りなす生態系です。クラウドキッチンを通して不必要なコストを削減し、消費者はもちろん、小規模業者がより多くの利益が生み出せるようにすることが夢です」

©MONEY TODAY

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