韓国LGグループ系情報システム開発の「LG CNS」は25日、東京ビッグサイトで26日まで開催される日本最大規模のIT展示会「Japan IT Week 春」に参加すると明らかにした。実取引データ基盤のITシステム事前検証ソリューション「パーフェクトツイン」を前面に押し出し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を急ぐ日本企業との本格的な取引を目指す。
LG CNSは2019年に韓国で「パーフェクトツイン」を初めて公開した。パーフェクツインは新規システムを障害や欠陥なしにオープンできるようにする実取引データ基盤のテストソリューションだ。また、仮想のデータではなく、従来のITシステムで処理していた実際の取引データを新たなシステムに融合させ、エラー発生の有無を確認する点が特徴だ。
LG CNS関係者は「パーフェクツインを活用すれば新規システムオープン後に発生する可能性がある障害要素を事前に除去し、欠陥発生率がゼロに近い安定的なシステムを構築することができる。今回の展示を手始めに『パーフェクツイン』を日本市場に本格進出させる」と話した。
LG CNSが日本に本格進出を目指すのは、日本市場で最近、生成AIを業務に活用し、DXを進めようとする企業が増えているからだ。日本政府も「失われた30年」という低成長時代を乗り越え、生産人口減少、生産設備老朽化、技術投資不振などの課題を解決するために積極的にDX政策を推進中だ。また、2021年9月にスタートしたデジタル庁を中心にデジタル政府推進を目標にしている。
このため、日本のDX市場は今後、飛躍的な成長を遂げるものとみられる。日本の市場調査会社「富士キメラ総研」によると、2030年の日本DX市場の規模は、2021年に比べて2.8倍増加した約6兆5195億円まで拡大する見通しだ。
◇日本のDX推進、大企業と中小で大きな差
しかし、日本企業はIT人材の不足、システムの老朽化などの問題で、DX推進がやや遅れているようだ。独立行政法人「情報処理推進機構」によると、DX推進比率は大企業で94.8%だが中小企業では39.6%と格差がかなりある。日本企業のデジタル活用成果を分析した結果「業務効率化」に成功した企業の比率は78.4%と高いが「新規製品・サービス」で成果を出した企業は24.8%に過ぎない。
このため、LG CNSは今回のイベント参加を通じ、日本のDX市場で十分チャンスをつかむことができるとみている。「パーフェクトツイン」はすでに韓国内で検証を受けただけに、日本企業の信頼も早く得られるものとみる。
パーフェクトツインは韓国の金融圏次世代システム転換、インフラ・クラウド転換などで安定性を極大化するソリューションとして注目され、業界の大きな関心を集めている。
最近では、新韓銀行のシステムを次世代バンキングシステムに転換するプロジェクトでも、その効果を立証した。このほか、韓国銀行、農協カードなど金融圏をはじめ、公共、製造、通信、流通、サービスなどの分野でも、次世代システムの「無欠陥オープン」を支えている。
一方、今回の展示会でアピールしている「シングルレックス」もLG CNSの日本事業拡大を牽引できるものとみられる。このプラットフォームは人事管理、マーケティング・営業、製造・物流、品質管理など核心ビジネス領域のグローバルSaaS(Software as a Service)を統合して提供する。利用する会社はSaaS導入のためにソリューション企業と一つ一つ契約する必要がなく、一つのプラットフォームの中で最適なSaaSを組み合わせて、希望するサービスだけ利用料を払って一定期間利用することができる。
例えば、LG CNSが人事管理ソリューションを開発しクラウドの上に載せれば、契約企業はクラウドに接続して人事管理ソリューションをすぐに使用し、利用した分だけ支払えば良い。LG CNSは、SAP、セールスフォース、IBM、シーメンス、オラクルなどのグローバルIT企業とSaaSサービス統合のためのパートナーシップ協定を締結している。
LG CNSは今回のイベントで、シングルレックスの購買管理、人事管理サービスの機能を中心に紹介する。また、日本市場でのLG CNSソリューションに対する認知度を高め、潜在顧客の発掘を模索する。
LG CNSセキュリティー・ソリューション事業部長のペ・ミン常務は「韓国市場で『パーフェクトツイン』と『シングルレックス』は製造、流通、サービスなど多様な分野の会社で成果を立証した。日本企業のビジネス革新をLG CNSのソリューションが積極的に支援する」と強調した。
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