韓国政府がK-ビューティー産業に1兆ウォン(1ウォン=約0.11円)を投入するなど、全面的な支援策を打ち出した。中国市場の不振の余波とグローバルeコマース競争の激化で実績の防衛が切実な化粧品業界が一息つけるか注目される。
産業通商資源省のチョン・インギョ通商交渉本部長は21日、アモーレパシフィック本社を訪問し、「輸出7000億ドルの目標達成に向け、貿易保険1兆ウォンの投入や海外マーケティング、認証などに全力で支援する」と明らかにした。
産業通商資源省によると、化粧品の輸出は今年第1四半期に23億ドルと、同期間、歴代最高額を記録した。同省は回復傾向を見せているK-ビューティー産業がアメリカ、中東、アセアンなど新市場に進出できるよう輸出多角化戦略など多方面で支援する方針だ。
特にオンライン流通プラットフォームの入店を支援し、有数のビューティー海外展示会への参加、輸出相談会や貿易使節団への支援などグローバルに支援する。
中堅・中小企業向けの輸出保険も拡大される。海外消費財拠点貿易館の機能を強化し、海外認証費用やコンサルティング支援、自由貿易協定(FTA)ネットワークを活用した貿易障壁の解消などにも積極的に乗り出す。
◇支援方針に期待の声
ビューティー業界では、政府のこのような支援方針に期待の声を上げている。アモーレパシフィックとLG生活健康は昨年厳しい実績だった。
金融監督院によると、LG生活健康の昨年の全社売り上げは6兆8048億ウォンで、前年比5.3%減少した。営業利益は31.5%減の4870億ウォンだ。アモーレパシフィックグループも昨年、4兆213億ウォンの売り上げと1520億ウォンの営業利益を記録した。前年比売り上げは10.5%、営業利益は44.1%減少した。免税と中国需要の低迷で主要チャンネルの売り上げが減少した。
エギョン(愛敬)産業は善戦した。昨年、全社の年間売り上げは6689億ウォン、営業利益は619億ウォンを記録し、前年比それぞれ9.6%、58.7%増加した。化粧品事業の年間売り上げは前年比14.4%増の2513億ウォン、営業利益は27.8%増の364億ウォンだ。
アモーレパシフィックグループのイ・サンモク代表は「1978年に米国法人を設立して以来、北米市場でブランド認知度と市場シェア拡大のために邁進している。今後、現地の主力流通チャンネルとのパートナーシップを活用したマーケティング戦略の強化と、ブランドポートフォリオの多角化を通じて市場影響力を高めていく」と述べた。
LG生活健康の関係者は「この間、海外市場を開拓して参入するにあたって、国別にマーケティングや認証手続きが異なり複雑で困難があったのが事実。政府レベルで全面的に支援してくれれば企業の立場では世界にK-ビューティーの地位をさらに固めることができる原動力ができたのも同然だと見て、このような決定をしてくれた政府に、期待される輸出量で報いることになるだろう」と伝えた。
エギョン産業の関係者は「エギョン産業は中国のほかに日本、ベトナム、米国などグローバルな国々に進出し、各国の特性と文化を反映した製品を開発、生産し、差別化されたマーケティング戦略を樹立して海外市場進出を拡大している。さまざまなグローバル国への進出を模索しており、産業通商資源省の実質的な支援と協力を通じて、K-ビューティーの成長動力である化粧品だけでなく、生活用品のグローバル市場への進出を拡大をして成長させるための努力を続ける」と明らかにした。
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