
空港内での混雑や安全事故への懸念が繰り返される中、韓国政府が芸能人の専用移動動線導入の可能性を改めて検討する。単なる便宜供与ではなく、多数が集中する状況に対する安全管理体制の整備を目的とした研究に着手する方針だ。
国土交通省は「著名人の空港利用時における群衆安全管理方案研究」の委託発注を準備している。
研究では、著名人の出入国時に発生する群衆集中現象の構造や事故リスク要因を分析し、空港運営環境に適用可能な管理基準を策定する。海外主要空港の運営事例や国内外の関連法制度の比較分析も進める。特に、大規模な人波による動線衝突や安全事故の可能性を体系的に診断する。
海外では一般旅客と著名人の動線を分離している空港も少なくない。ロサンゼルス国際空港やヒースロー空港では、VIPや芸能人向けの専用ターミナルを運営し、一般ターミナルの混雑緩和を図っている。利用料は年間約700万ウォン(約74万2000円)程度とされる。シャルル・ド・ゴール空港も専用出入口と別途の保安検査手続きを設けている。
韓国でも2024年、仁川国際空港公社が芸能人専用出入り口やファストトラック導入を検討したが、「特定階層への特恵」との批判が強まり中断した経緯がある。当時は安全管理より公平性論争が前面に出て、制度議論は進まなかった。
国土交通省は「今回の研究が特定制度の導入を前提としたものではない」と強調する。専用出入口の設置に限らず、現場統制の強化、移動時間の分散、臨時動線管理など幅広い代替策を検討対象とする。
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