韓国で重大事件の容疑者のマグショット(逮捕後に撮影される顔写真)を公開する法律が今年末から施行される見通しになった。身元公開委員会が決定した容疑者についてのみマグショットが公開できるようになる。ただ、容疑者が決定に不服を申し立てることもできる。
国会法制司法委員会は12日、いわゆるマグショット公開法である「特定重大犯罪容疑者など身上情報公開に関する法律案」をはじめ計17件の法案を併合審査、議決した。
マグショットの公開には身元公開委員会の決定が必要だ。同委員会は現行法上、凶悪・性犯罪者の身元情報を公開するか審査しているが、新たな法律によって、内乱・外患誘致罪、麻薬犯罪などに公開できる範囲が広がった。既に与野党が合意している。
これまでは身元が公開されても、容疑者がマグショット撮影を拒否できたことから、国民の知る権利が保障されないという批判が強かった。2010年以降、警察が容疑者の身元を公開したのは50件だが、マグショットが公開されたのはこのうち2件に過ぎない。
警察関係者の間には「国民に犯罪者の顔を知らせることで安心感をもたらすことができ、一種の処罰効果もあるため、法感情とも一致する」と新たな法律を歓迎するムードがある。
ただ、今回の法案ではマグショットを撮影しても公開まで5日間の猶予期間が設けられた。容疑者が身元公開決定を不服として行政訴訟などを起こす権利を保障するためだ。
警察庁関係者は「猶予期間を置けば、捜査中に容疑者の身元を公開することが難しくなる。凶悪犯の場合、早い身元公開を望むのが国民感情だ」と指摘する。
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