2024 年 5月 18日 (土)
ホーム社会ソウル・ストーキング事件から1年…申告増えたが容疑者拘束は3%のみ

ソウル・ストーキング事件から1年…申告増えたが容疑者拘束は3%のみ

殺害事件が発生したソウル・新堂駅の女子トイレ(c)NEWSIS

韓国で昨年9月、新堂駅殺人事件が起きて以後、ストーキング犯罪に対する社会的警戒心が高まり、申告・検挙ともに件数が急増したものの、処罰は依然として軽いものにとどまっている。

警察庁の資料によると、今年1~7月のストーキング犯罪の112通報(日本の110番に相当)件数は計1万8973件。1日平均88.6件ずつ通報が入ってくる計算だ。112通報は2021年1万4509件から昨年2万9565件に急増したのに続き、今年は上半期で2万件に迫っている。

警察に検挙された容疑者も大幅に増えている。2021年880人だった検挙件数は昨年9895人で10倍以上急増し、今年は1~7月で6309件を記録している。

背景には、相次ぐ凶悪犯罪でストーキングに対する社会的認識が大きく変わった点がある。加害者の粘り強い接近を「積極的な求愛行為」または「私的な領域」として退けてきたこれまでとは異なり、いつでも凶悪犯罪に飛び火しかねないという警戒心が被害者側にある。

問題は、捜査機関の対処や裁判所の判決などの処罰が依然軽く、積極的な加害者分離措置がなされずにいるという点だ。警察庁によると、今年1~7月、ストーキング犯罪容疑者6309人のうち、拘束されたのは210人で、拘束率は3.2%に止まった。昨年の3.3%と大差ない。2021年の7.0%に比べれば、むしろ半分以上下落した数値でもある。

ストーキング行為が続く恐れがある場合、執行する緊急応急措置の執行件数は増加傾向にあるが、執行率(申告件数全体との比較)は昨年11.5%、今年1~7月11.8%と依然として低い水準にとどまっている。

(c)NEWSIS

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