2024 年 5月 15日 (水)
ホーム社会韓国・精神疾患者は毎年増加…だがサービス利用率12.1%

韓国・精神疾患者は毎年増加…だがサービス利用率12.1%

(c)news1

韓国の精神健康医学科の病床数は、他国に比べて過剰と言える。だが、精神科医数は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の半分にも及ばないのが実態だ。精神疾患者の精神健康サービス利用率は、他国よりはるかに低い。

保健福祉省の資料によると、韓国の2019年人口1000人当たりの精神病床数は1.24で、OECD加盟国のうち日本(2.57)、ベルギー(1.41)、ドイツ(1.3)の次に多かった。加盟国平均の0.65カ国の2倍に近い。

一方、人口1000人当たりの精神科医数は、2020年時点で韓国が0.08人で、同年統計のある29カ国平均0.18人の半分に及ばなかった。韓国より低い国はメキシコ(0.01人)、コロンビア(0.02人)、トルコ(0.06人)の3カ国だけだった。つまり病床数が多い一方、医師不足が顕著だ。

これは収容・入院中心の患者管理・治療慣行が影響を及ぼしたものと見られる。また、医師不足は、医学部生の間で精神科の人気がないためではないこともわかっている。全国48病院の2023年上半期の専攻医募集で、精神科は募集定員97人に142人が志願し、1.46倍の競争率だった。

特に、政府保健予算のうち精神健康分野が占める割合は1.9%(3158億ウォン)の水準で非常に低かった。医師数自体が不足している状態で、精神科専門医が処遇の良い民間病院や開院を好み、重症患者が訪れる国立精神病院は求人難に苦しんでいる。

国会福祉委所属で野党「共に民主党」のキム・ウォンイ議員室によると、国立精神病院5カ所の精神科専門医の充員率は41.2%にとどまった。一方、ソウル市の政策研究機関であるソウル研究院が健康保険審査評価院の統計を分析した結果、この5年間、ソウル市内の精神科病院は232カ所(76.8%)も増加した。

これに対し、大韓神経精神医学会会長を務めている江北(カンブク)サムスン病院精神健康医学科のオ・ガンソプ教授は「精神科医の数が外国に比べてそれほど少ないわけではない。国内の精神科診療に対する偏見が深刻で、あまり診療を受けない傾向があった。ただ、最近は偏見がかなり減り、患者数が増える傾向も見せている」と指摘した。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular