世界の燃料電池車販売台数が減少に転じた。販売減少の要因は、市場をリードする新車がない状況で、水素ステーションの不足や費用などの問題が顕在化したものとみられている。現代自動車は2024年型ネッソを発売するなど、燃料電池車部門で善戦しているが、トヨタに追われている。
エネルギー専門市場調査会社SNEリサーチによると、今年1~7月に各国に登録された燃料電池車は9619台で、昨年同期より9.6%減少した。
メーカー別では、現代自動車が水素電気自動車「ネッソ」と「エレクトリックシティ」を3662台販売し、市場シェアは38.1%と首位を維持した。だが「ネッソ」の販売不振で40.0%のマイナス成長を記録した。現代自動車は今年6月、「ネッソ」の年式変更モデルである「2024ネッソ」を発売したが、販売台数の減少を食い止められずにいる。
トヨタはミライの販売台数が5月以降、上昇傾向を示し、2884台を販売。現代自動車とのシェア格差を8.1ポイントまで縮めた。国別販売台数は韓国(3390台)が昨年同期より38.7%減少したが、シェアは35.2%で燃料電池車市場1位を維持した。
中国(3073台)は燃料電池車の商用車を中心に66.8%増ととなり、韓国とともに30%台のシェア(31.9%)を占めた。米国(2333台)は21.1%増加し、シェアは24.3%となった。米国ではトヨタ・ミライが最も多く売れ、着実に成長している。
SNEリサーチは「電気自動車市場は拡大し、激しい価格割引戦争を繰り広げているが、燃料電池車市場はマイナス成長となっている。燃料電池車の水素ステーション不足や水素充電費用の上昇、選択肢が限られる車種といったことが、市場の成長を阻害している」と分析している。
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