韓国・金浦(キムポ)の長陵(チャンルン)付近で建設中止をめぐる紛争があったマンションと関連し、建設会社が文化財庁を相手取って起こした行政訴訟で、建設会社側の2度目の勝訴が確定した。建設会社が相次いで勝訴し、2年以上続いた論争が決着する見込みだ。
最高裁はこのほど、大方(テバン)建設が朝鮮王朝の宮殿、王陵などを保存管理する文化財庁宮陵(クンヌン)遺跡本部長を相手に起こした工事中止命令取り消し訴訟上告審で、原告勝訴と判決した原審を審理不続行棄却と確定した。
これで昨年12月28日、テグァンENCが最高裁での勝訴確定判決を受けたのに続き、2番目に大方建設も勝訴判定を受けたことにより「王陵ビューアパート」騒ぎが一段落する形となった。
この事件は近隣の仁川黔丹(インチョン・コムダン)新都市から長陵を眺める方向にマンションが建てられ、騒ぎが起きた。
このマンションは、大方建設のディエトル・ザ・ヒル(1417世帯)、デグァン建営系列会社のデグァンENCロジェビアンラフォーレ(735世帯)、金星白鳥(クムソンペクチョ)系列会社のジェイエスグローバルイェミジトリプルエデュ(1249世帯)の3団地で、計3400世帯にもなるちょっとした新都市級の規模だ。
文化財庁が2021年、文化財の半径500m以内の「歴史文化環境保存地域」に建てる高さ20m以上の建築物は事前審議を受けるべきなのに、建設会社がこれを守らなかったとして、マンション44棟のうち19棟の工事中断を命令し、建設会社を告発した。
しかし、建設会社は仁川都市公社が現状変更許可を出し、自治体の承認を受けて適法に工事していると主張し、工事中断命令取り下げ訴訟を提起した。
裁判所は建設会社に軍配を上げた。ソウル行政裁判所部は2022年8月、大方建設が文化財庁宮陵遺跡本部長を相手取って起こした工事中止命令処分取り消し訴訟で、原告勝訴判決を下した。
この間、マンションが全て完成し、建設会社は仁川市西区(ソグ)区庁から使用承認を受けた後、入居を断行し、昨年6月に住民の入居が完了した。
建設会社は控訴審でも相次いで勝訴した。ソウル高裁は昨年11月、ジェイエスグローバルが文化財庁宮陵遺跡本部長を相手取って起こした行政訴訟控訴審で、原告勝訴の判決を下した。
裁判所は「建設会社が建てたマンション上段を撤去しても外側に位置する高層マンションで山が遮られるので眺望が回復するとは考えにくい。建物はすでに骨組みが完成しており、工事中断で建設会社と購入者が被る財産上の損害は莫大だが、この事件の処分や、この事件の建物を一部でも撤去して得られる利益はそれに比べて大きくないか微々たるものだ」と判示した。
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