「良い職業、良い職場」への志向が強い韓国社会でも、安定した専門職や定年が保障された公務員、給与の高い大企業は「神の職場」とたたえられる。ところが、そうした職場を離れてクリエイターの道を歩む人たちがいる。ユーチューバーの「イ・ヨン」「怪しい鮮魚」「テックモン」がその代表だ。
3人の共通点は「以前の職務分野と関連したコンテンツの製作」という点にある。スターバックスコリアデザイナー出身の「イ・ヨン」は絵▽高校の生物教師だった「怪しい鮮魚」は動植物解剖▽現代自動車にいた「テックモン」は電子機器レビュー――をそれぞれ主なコンテンツにしている。
クリエイターになった契機は「既存職業や職場に不満を感じて」「自己実現のため」だ。
「怪しい鮮魚」は「教師という職業がとても好きだったが、一生続けるのかという悩みもあった。もっと多くの人に影響力を発揮したかった」と振り返る。現在、専業クリエイターの生活については「非常に満足している。今は私が望むテーマを、望む方向に作業する。そのような主導的な部分がとても気に入っている」と説明している。
「イ・ヨン」は昨年、ユーチューブチャンネル「イオ」とのインタビューで「仕事があまり好きではなかった。デザイナーとして成功した知人、ユーチューバーで成功した知人、どちらがうらやましいかと言ったら、どう考えてもユーチューバーだった。恥ずかしいが収入も多い」との見解を示す。現在、「イ・ヨン」のチャンネルには85万5000人の登録者がいる。
「テックモン」は2020年にアップされたユーチューブチャンネル「キャッチTV」インタビューで、クリエイターを夢見る会社員らに「兼職禁止の会社もあり、ためらうこともあろう。ユーチューブで収益を得るためには登録者が1000人を超える必要がある。これらをクリアしてから退社を決めても遅くない」と助言した。
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