2025 年 3月 14日 (金)
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韓国で大学入試改編、「緊急説明会」に保護者ら殺到…学習塾、広報活動強化

ソウル市内の塾街商店街に貼られた入試説明会の案内文(c)news1

韓国で塾、生徒、保護者の動揺が広がっている。教育省が今月10日、「2028大学入試制度改編試案」を発表すると、ソウル市江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)と陽川区木洞(ヤンチョング・モクトン)などに集まる各塾は一斉に入試説明会を開き、広報活動に力を入れている。

改編案には、高校全学年での内申5等級相対評価、内申書・叙述型質問項目の拡大、修学能力試験での国語・数学選択科目廃止、統合社会・科学導入などが盛り込まれている。

大峙洞(テチドン)にある小・中・高対象の有名単科学院であるA学院は、大学入試改編案が発表された翌11日、大学入試分析業者であるB研究所所長を招いて説明会を開催した。事前の申し込みが殺到し、募集は1日で締め切られた。

この説明会に参加した中学校1年生の保護者イさん(44)は「知り合いの保護者同士で説明会の情報を共有してきた。説明会では、建学理念に基づいて学校運営ができる自立型私立高校や特別目的高校が有利だと言っていた。しかし、他の業者では必ずしもそうでもないと話しており、混乱している」と話した。

入試説明会で、各塾は大学入試改編案の分析を提供し、塾の売り込みも欠かさない。イさんは「説明会を申請する時に携帯電話番号を伝えたため、塾の授業を案内するメールが来た。改編案が発表される前に比べ、真剣に見るようになった」と語る。

特に重視されるのが論述だ。中・高校生を対象に運営し、首都圏に複数の教室を置くC論述塾は、全教室で2回ずつ、「深層分析説明会」を開いている。

小学生を対象にした「早期論述教育」の広報にも力を入れる。早ければ、来年から内申書に論文や叙述型評価が導入されると予告されると、小学生・幼児対象の「読書討論」学習誌業者Dは「小学生から考える力を育てなければならない」と呼びかけ、月4回の70分授業と教材8冊で構成する小学1~6年生プログラムの宣伝に乗り出した。

入試コンサルティング業者らも「高校進学戦略」を前面に出し、学校生活記録簿によって、特別目的高校・自律型私立高校入試の有利・不利が判断されるとし、広報に力を入れる。

塾などの私教育業者らは「不安扇動マーケティング」とも言えるほど広報に力を注ぐ中、保護者がこうした扇動に巻き込まれることがあってはならない。市民の間では、教育当局が改編案のより具体的内容を説明するべきだとの批判が出ている。

ソウル中等進学指導研究会所属のペジェ高校のチャン・ジファン教師は「教育省は『ゲームでこのように点数を取れ』と方法は提示しておきながら、そのゲームの明確な規則は提示していない」と指摘する。

(c)news1

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