2025 年 2月 24日 (月)
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韓国で一般医の開業増加、必須医療科は減少…低報酬・高訴訟リスクが影響

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韓国で昨年、新たに開業した医院のうち約3分の1が、専門医資格を持たない「一般医」によるものだったことが明らかになった。一方、小児科や産婦人科など、社会に不可欠な診療科目の医院が次々と閉業しており、韓国の医療制度の構造的な問題が深刻化している。

健康保険審査評価院が22日に発表した統計によると、2024年に新たに開業した医院は1996カ所で、前年より207カ所増加した。このうち、一般医(GP)の医院が759カ所と全体の38%を占め、前年比で94カ所増加した。2022年の673カ所、2023年の665カ所から大きく増えた。

一般医とは、医科大学を卒業し国家試験に合格したものの、専門医資格を取得していない医師を指す。中には、研修医(レジデント)を途中で辞職し、専門医を取得せずに開業する医師も含まれている。専門性が不足することから、特に美容外科や皮膚科、自由診療を中心とする医院の開業が多い傾向にある。

ある元レジデントは「大学病院での過酷な研修を経るよりも、美容クリニックで働く方が労働負担が軽く、給与も倍近くになる」と明かす。別の医師は「レジデントを辞めた後、海外での就職も考えたが難しく、最終的には自由診療中心のクリニックを開業した」と述べた。

一方、小児科や産婦人科など、社会に不可欠な医療サービスを提供する診療科は相次いで閉業している。2024年に閉業した医院のうち、最も多かったのは一般医の473カ所(全体の26.4%)だったが、小児科と内科でもそれぞれ64カ所が閉業し、産婦人科も40カ所が閉鎖された。必須医療分野の減少は、地域医療体制に深刻な影響を与えることが懸念されている。

閉業の背景には、低い診療報酬や医療訴訟のリスク、過酷な労働環境がある。小児科や内科は保険診療が中心で、自由診療による追加収益が見込みにくい。また、患者や家族への説明に時間を要する一方で、診療報酬は相対的に低く、経営難に直面する医院が多い。

さらに、医療事故を巡る訴訟の増加も医師にとって大きな負担となっている。特に小児科や産婦人科など、医療ミスが生命に直結する診療科では、訴訟リスクが高く、医師の心理的負担も大きい。最近では、医療事故により数億ウォンの損害賠償を命じられた事例もあり、閉業を決断する医師が増えている。

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