
韓国と中国の関係が接近する中、北朝鮮が韓国に対し過敏な反応を見せている。特に、韓国の外交活動に対し意図的に水を差すような行動をとる一方、中国との関係については全面的な信頼を回復できていないとの見方も浮上している。
北朝鮮のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長は13日夜、韓国統一省が無人機問題を契機に南北間での「意思疎通の余地」が生まれる可能性に言及したことに対し、「希望に満ちた白昼夢」「実現不可能な妄想」などと厳しく一蹴した。
注目すべきは、韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領による首脳外交を名指しで非難した点である。キム・ヨジョン氏は「政権担当者が海外を飛び回って哀願し、どんなに善意を装っても、朝韓関係の現実は変わらない」と痛烈に批判した。
この談話は、イ・ジェミョン大統領が「北朝鮮の非核化」の立場を再確認した日韓首脳会談当日に出されたことから、北朝鮮が強い不満を抱いている表れとの分析もある。
ただ全体的には、中国が韓国との関係強化に動いたことに対する北朝鮮の警戒感が背景にあるとする見方が有力だ。特に、今月初めの韓中首脳会談で、イ・ジェミョン大統領が厚遇されたことが北朝鮮に焦りを与えた可能性がある。
中国が今後、南北および米朝関係の調整役として関与する姿勢を強めれば、北朝鮮にとって無視できない存在となる。これを避けたい北朝鮮は、イ・ジェミョン大統領の訪中当日に弾道ミサイルを発射し、あえて「対話の時期ではない」とのメッセージを送ったとの分析も出ている。
実際、イ・ジェミョン大統領は習近平国家主席との会談で韓国政府の対北朝鮮構想を説明し、中国の協力を求めた。北朝鮮がこれを「哀願」と表現したのは、まさにこの一連の動きに対する牽制と受け取れる。
北朝鮮は昨年9月、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が北京を訪問し、中朝首脳会談が開催されたことから、中国を後ろ盾とする構えを見せていた。
しかし、党機関紙・労働新聞は今年元日、例年であれば大々的に報じられるはずの習主席の新年祝辞を、他国の祝電と同列にごく簡潔に扱うにとどめた。この変化は、中朝関係の“距離感”を示唆するものとも受け取れる。
これは、韓中首脳会談に向けた中国の事前説明が不十分だったことに対する北朝鮮の不信感、あるいは中国が米中対立の中で韓国を重視する姿勢に不満を抱いた結果ではないかとの指摘もある。
また、日韓首脳会談で日本がイ・ジェミョン大統領を丁重にもてなしたことで、北朝鮮が地域内での韓国の存在感の高まりに焦りを感じた可能性もある。
キム・ヨジョン氏が夜間というタイミングで突如、韓国を非難する談話を発表した点についても「北朝鮮の情勢判断が冷静さを欠いている証拠」との分析がある。
北韓大学院大学のヤン・ムジン特任教授は「キム・ヨジョン氏の『哀願』発言は、イ・ジェミョン大統領の首脳外交の成果を貶める意図が明白」としたうえで、「日本や中国を通じた仲介の可能性を事前に封じようとするメッセージだ」と分析した。
専門家は、北朝鮮が今回の無人機問題をあえて外交カードとして持ち出したのではないかと見ている。韓国が緊張を高めているという主張を構築し、中国による対話介入の余地を狭める狙いがある可能性があるという。
実際、北朝鮮が昨年9月の無人機問題を今になって持ち出したのも、外交戦略の一環だと見る向きがある。
韓国政府に対しては、中朝間の情報共有の実態を正確に把握したうえで、節度と戦略性のある対北朝鮮メッセージを発信すべきとの声が高まっている。
韓国・慶南大学国際問題研究所のイム・ウルチュル教授は「キム・ヨジョン氏の強硬発言は、韓国政府が『善意』を見せるほど激しくなる傾向がある。統一省があの談話を『対話の余地あり』と即断したのは、韓国が北朝鮮にすがっているような誤解を招きかねない」と警鐘を鳴らした。
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