Startup Story ~~ 成功のカギ
ゲーム開発会社「イスクラ(ISKRA)」
イスクラのシステムを使えば、さまざまな機能も活用できる。
システム内の取引所コンセプトである仮想通貨取引所DEX(分散型取引所)や脱中央化サービスの提供がその代表例だ。
「持続可能なブロックチェーン基盤ゲームシステムを構成し、長期的に成長できると見た」。今回の投資に参加したカカオベンチャーズのチャン・ドンウク取締役の判断だ。
イスクラのモデルが開発段階から巨額投資を誘致できた要因は、ひとえに創業チームの能力にある。
イ・ホンギュ代表は、韓国で早くからブロックチェーン関連産業に従事してきた専門家だ。
LINEではブロックチェーン分野総括役員を務め、同社とブロックチェーンプラットフォーム開発「アイコンループ(ICONLOOP)」のジョイントベンチャー「アンチェイン(Unchain)」の初代代表も歴任した。
ゲーム分野の専門家も揃っている。「ネットマーブル(Netmarble)」「ハンゲーム(Hangame)」などで腕を振るったキム・ヒョンス氏は「パーティーゲームズ(PATIGames)」の前代表。「ネクソン(Nexon)」「ディズニー」などでの業務を経験したリュ・インソン氏は「LINE金融プラットフォーム」の前事業総括だ。
「イスクラは、ブロックチェーンゲームに関する高い理解度と、専門性を備えた人材を有する。この2つを兼ね備えた組織を探すのは容易ではない。こうしたメンバーがいるだけでも投資の理由になる」
投資した側の「ファストベンチャーズ(Fast Ventures)」、カン・ギヒョン氏はこう評価する。
専門性に加え、関連企業とのネットワークづくりにも注目が集まる。
カカオベンチャーズのチャン・ドンウク理事は「イスクラの事業モデルでは、どんなゲームが調達されるのか、いかにしてそれを続けて打ち出すことができるのかが重要だ。メンバーによるネットワーキングは、ゲームの発掘・調達などに相当な役割を果たすだろう」との認識を示している。
実際、今回の段階の投資には「ウィメイド(WeMade)」「NHN BIGFOOT」「ネオウィズ(NeoWiz)」「メタボラ(META BORA)」など韓国ゲーム開発会社が大挙して参加している。イスクラがプラットフォームとして基礎となる“システムづくりのメンバー”を確保したという評価につながっている。
イスクラは今後も、海外にも事業を拡張するという。「グローバルゲーム開発会社やユーザーコミュニティを攻略し、P2Eゲーム開発プラットフォームになる」(イスクラ関係者)という目標を掲げる。
ファストベンチャーズのカン・ギヒョン氏は「AppStoreやスチーム(Steam)のように、イスクラが“P2Eゲーム企業のプラットフォーム”になるよう期待している」と話している。
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