米航空宇宙局(NASA)をはじめ、世界のさまざまな研究所で特定物質を分析するのに使用する「分光学」技術で、米国の「ビル&メリンダゲイツ財団」と、韓国企業の中で初めてパートナーシップを締結して話題になったスタートアップがある。
分光学をベースとする成分検出・測定装置を開発する「パイクワント(PiQuant)」だ。分光学は反射・散乱・拡散・透過される程度がそれぞれ異なる光の特性を通じて物質の固有属性を探し出す。
ゲイツ財団はパイクワントが開発した携帯用水質測定器「ウォータースキャナー」に注目した。ウォータースキャナーは、水中細菌とウイルス、重金属などを検出できる装置で、従来のPCR方式(遺伝子増幅検査法)の検査時間を1440分の1に短縮し、費用を50分の1に下げた。
ゲイツ財団は「ウォータースキャナーが発展途上国において飲料水の安全度を高めるのに寄与できる技術だ」と評価した。パイクワントはゲイツ財団と2次パートナーシップも結び、研究費の支援を受けて多くの国と協業しながら水質改善事業を進めている。
パイクワントは2015年7月の設立だ。昨年7月、米商務省が公式運営する投資促進プログラム「SELECTUSA大会」で優勝したのに続き、今年初めに世界最大のIT展示会「CES2023」で革新賞を受賞し、グローバル進出にも拍車をかけている。
パイクワントは最近3年間の売り上げが▽2020年に約6億5000万ウォン(1ウォン=約0.1円)▽2021年に約17億ウォン▽2022年に約23億ウォンと上昇傾向を見せている。2020年からは営業利益も黒字転換した。これまで研究開発(R&D)中心だったが、今は早い事業化によって来年の売上高100億ウォンを達成するという目標だ。
特に現代建設やベンツなど国内外の大企業と手を結び、技術の範囲を有害ガス感知・アラームシステムと血中アルコール濃度測定による飲酒運転予防まで拡張した。
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