韓国で均一価格の生活用品を販売する専門店「アソンダイソー」の今年の年間売り上げが、3兆ウォン(1ウォン=約0.1円)をはるかに上回りそうだ。コストパフォーマンスが良い製品を着実に発売しているダイソーが、美容領域まで事業を拡大し、多角化による成長路線を進めている。
ダイソーの昨年の売り上げは、前年同期比13.1%増の2兆9457億ウォン、営業利益は15.7%減の2393億ウォンだった。景気低迷にも関わらず着実に成長傾向を続けているダイソーは非上場会社なので、十分に実績が公開されていないが、今年はすでに売り上げが3兆ウォンを越えた。
ダイソーは2015年に年間売り上げ1兆ウォンを超え、4年後の2019年に2兆ウォンを突破。さらに4年後の今年、3兆ウォンの大台に乗せた形だ。
ダイソーが成長の勢いを続ける主な要因は、物価高で合理的な消費を望む人々の需要が増えたため。特に、昨年のソーシャルディスタンス解除以降、オフライン売り場の消費が回復した点も、売り上げ上昇を後押しした。
ある流通業界の関係者は「最近、日々物価が上昇し、ダイソーの高コスパ製品が、より多くの消費者の注目を集めている。安いうえに品質も保証されれば、確実に消費者がダイソーに魅力を感じるだろう」と語った。
◇ザルファ世代から外国人観光客まで
さらにダイソーは2021年、美容市場に進出し、製品の幅も広げている。販売中の化粧品は、ネイチャーリパブリックからVTコスメティックなど有名ブランドも販売している。
現在、計26ブランドの化粧品約250種まで製品群を拡大。すべての商品を6種類の安価な価格帯(500ウォン、1000ウォン、1500ウォン、2000ウォン、3000ウォン、5000ウォン)で販売している。
今年のダイソー美容部門の売り上げは大幅に増加し、ダイソーによると、1~8月で基礎、色調化粧品の売り上げは前年比約160%成長した。良質な高コスパ製品という評判が広がり、最近はザルファ世代(1996年以降の生まれ)だけでなく、外国人観光客まで「K-ビューティー」の聖地としてダイソーに注目している。
実際、ダイソーによると、1~9月の海外カード決済件数は、昨年同期比約125%、決済金額は約150%増加した。
ダイソー関係者は「私たちは基本的に薄利多売戦略によってマージンを得ている。美容分野の場合、マーケティングやイベントを入れず、化粧品パッケージを最小化するなど商品そのものの改良に集中している」と話している。
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