韓国で子供向けアニメーション映画「愛のハチュピン」の興行が成功する一方で、映画館での保護者によるスマートフォン使用が観客に迷惑をかけている。特に映画を観ずにスマートフォンを使用する「スマホ・ホタル」行為が観客に不快感を与えている。韓国ではこうした迷惑行為を防ぐ法的手段がないが、海外では罰金や電波妨害装置などの対策が取られている。
オンラインコミュニティに22日、「ハチュピンを見てきたが、観客による迷惑行為に遭った」という投稿が掲載された。その内容によると、前列に座った父親が上映中、スマートフォンで検索したり、ゲームを見たりしており、その光が非常に迷惑だったという。また、隣の子供もYouTubeを視聴しており、音量が大きく、母親も注意をしなかったと書かれていた。
この投稿に対して、他のネットユーザーも「ポップコーンを投げたくなった」「子供はともかく、保護者がこれでは問題だ」「映画を観ないなら外で待っていてほしい」と共感の声が寄せられた。
「愛のハチュピン」は7日に公開され、総観客数が67万8906人を記録し、50万人という損益分岐点を超えた。これは韓国アニメーション史上、興行成績9位に相当する。この作品は今後もシンガロング(Sing-along)上映会や観客との対話イベントが予定されており、引き続きヒットが続くと予想されている。
しかし、久々の韓国アニメーションの大ヒットにもかかわらず、こうした「迷惑行為」による被害が続出していることは残念だ。特に、映画を観ない保護者による迷惑行為が多発しており、映画業界関係者も頭を悩ませている。ある関係者は「上映前に映画館で注意喚起をしているが、上映中に発生するトラブルにはすぐに対応できない」と説明した。
現在、韓国では「迷惑行為」を防ぐための法的な手段がない。過去には、ソウルの芸術の殿堂や世宗文化会館で電波妨害装置を試験導入したことがあったが、2003年に当時の情報通信省が「通信妨害行為を禁止する法律」を理由に最終的に不許可とした。一方、ニューヨーク市では、公演場や劇場などでのスマホ使用に対する罰金制度が設けられている。また、日本では1999年にサントリーホールに電波妨害装置が導入されており、中国でも主要公演場でスマホ使用をレーザーで警告する措置が取られている。
(c)MONEYTODAY