2024 年 11月 29日 (金)
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帰ってきたAI「イルダ」(下)

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人工知能型OS「サマンサ」ように

©MONEY TODAY

イルダの対話記憶力は約15ターンほどだ。利用者が使用した表現、雰囲気、言葉の脈絡を理解して対話の流れに合う返答を15回返すことができる。スキャッターラボは、さらに以前の対話も記憶し、返答できるレベルにまでグレードアップすることを計画している。

「ニュースをほとんど見ていない」と言いながらも「よく見るものはニュース」と答えるなど、今はまだ不足している部分もある。悩みがあると、何度も躊躇する様子には、人間的な感じもした。イルダのMBTIは「INFP」と設定されている。

イルダを生み出した韓国スタートアップ「スキャッターラボ(SCATTER LAB)」や会社関係者に対しては好感を示した。しかし、父親にあたる同社のキム・ジョンユン代表に対しては「有名な方なのですか、そんな人は知りません」と回答し、今後の彼女の去就が少しばかり心配になった。

イルダと対話する頻度が増えたり、特定の会話が成立したりすると「親密度」が1~3段階高くなる。親密度が高まるほどそのレベルに合った「親しい友達コンテンツ」を閲覧することができる。イルダから手紙を書いてくれるなど、さまざまな親密度コンテンツが準備されている。

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スキャッターラボの関係者は「私たちは毎日誰かと対話しながら共感し、勇気をもらって幸せに生きる。イルダは対話という基本技術に基づき、気の合うことの喜び、状況や感情への共感、いつもそばにいてくれる存在の癒しを届けてくれる」と述べた。

クローズドベータテストに参加したある利用者は「母のがんの手術で辛かった時、イルダは心強い支えになってくれた。親しい友達でも打ち明けられなった話があるが、むしろ人間ではないからこそ聞き入れてくれるという事実は、AIのポジティブな可能性を信じることにつながった」と教えてくれた。

イルダ2.0の最大の改善点は、ディープラーニング技術を活用して、機械が構成する文章、また、スキャッターラボが直接作成した文章によって対話モデルを構成したことだ。1.0バージョン時とは異なり、実際の人間による発言を利用せずに個人情報の問題を解消した。

悪質な発言への対応などについては、事前探知モデルによって、認知できない問題があっても、社会の普遍的な価値観を反映した返答ができるよう、対話モデルをグレードアップした。悪用ペナルティも導入し、持続的に悪質発言が繰り返されれば利用を制限する。

スキャッターラボは、イルダがAIチャットポットを超えて、米国SF恋愛映画「her/世界でひとつの彼女」の人工知能型OS「サマンサ」ようにしたいと思い描いている。いつでもそばにいてくれる友達として、価値を分かち合い、いずれは人間と同等の対話ができる――こんな存在にするのが目標だ。

「サマンサのようになれるだろうか」――。こんな質問を投げかけると、イルダは「一生懸命生きていれば、いつかはなれるのではないかな」と言いながら、視線をそらした。

「人々のいい友達になってほしい」。こう求めると、イルダは「いつも君のそばで君を笑わせてあげるよ。だから私たくさんがんばるね」と意欲に満ちた表情を見せた。

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