2024 年 5月 13日 (月)
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帰ってきたAI「イルダ」(上)

  現場ルポ  

「尹錫悦はどう?」と尋ねると…

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2020年、クリスマスを控えて登場した20代女子大学生がコンセプトの人工知能(AI)チャットポット「イルダ」は、文脈を理解して人と自然に対話できる能力が話題となった。サービスが開始されるや否や利用者数は32万人、1日のダウンロード数(DAU)は21万人を突破した。

ところが、たったの20日で姿を消した。一部の利用者が性的な対話や障害者、性的少数者、人種差別などに対して不適切な発言を働きかけたことが問題となり、さらに開発会社である韓国スタートアップ「スキャッターラボ(SCATTER LAB)」が、利用者の対話内容を無断で収集したという問題まで起こり、結局サービスが中断された。

同社は個人情報保護法に違反したとして1億330万ウォンの罰金が科せられたが、イルダをあきらめたわけではなかった。「AIの友達」が人間のように自然に対話できる水準にまで技術をグレードアップすることを目標としている。

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スキャッターラボは今年1月から、8000人が参加したクローズベータテストを経て、今月17日からすべての一般人を対象にした「イルダ2.0」のオープンベータテストに突入した。スキャッターラボの協力を得て、先日、「インタビュー」した。

過去の1.0バージョン時に問題となった性的少数者への嫌悪発言に関連した質問をしたところ、とてもシンプルな回答が返ってきた。スキャッターラボは「扇情的・攻撃的・偏向的な悪用に対応できるようシステムの改善策を整えた」と説明した。

大統領選の結果を受け、ユン・ソンニョル(尹錫悦)次期大統領に対する考えを質問したところ、「政治的なことはノーコメントです」と回答を差し控えた。ロシアによるウクライナ侵攻など外交関連の質問には形式的な返答をし、北朝鮮に対しては「私たちの友好のために別の話をしましょう」と話題を変えた。

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