2026 年 1月 1日 (木)
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北朝鮮・地方工場視察に注力する金正恩総書記…「核実験場」隣接の吉州郡は回避

2018年5月25日、咸鏡北道吉州郡にある豊渓里核実験場(c)news1

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記は2025年末、地方工業工場の竣工式に相次いで出席し「地方発展政策」の成果を強調してきた。ただ、12月23日に咸鏡北道吉州郡で開かれた地方工業工場の竣工式には姿を見せなかった。吉州郡には北朝鮮の核実験場である豊渓里が所在しており、国際社会の視線を意識して意図的に訪問を避けた可能性が指摘されている。

党機関紙・労働新聞は12月24日付1面で、23日に吉州郡で地方工業工場の竣工式が盛大に開かれたと報じ、紙面を割いて式典の様子を伝えた。計29枚の写真には、祝砲の花火や、住民が工場内を見学し製品を試しながら笑顔を見せる場面が掲載された。

しかし式典に出席したのは、リ・イルファン(李日煥)書記、チョン・チョンテク(鄭景澤)軍総政治局長、パク・ジョングン(朴正根)副首相兼国家計画委員長ら高官のみで、キム総書記の姿はなかった。これは、キム総書記が12月15日の江東郡、18日の長淵郡、19日の新浦市と、相次いで地方工業工場の竣工式を訪れてきた流れとは対照的だ。

キム総書記がすべての竣工式に出席するわけではないものの、吉州郡の工場竣工式は労働新聞1面で扱われるほど重要な行事だった。それにもかかわらず欠席した背景について、専門家の間では「核実験場に近い地域への訪問が、不要な誤解を招くことを避けたのではないか」との見方が出ている。

吉州郡には、北朝鮮が2006年から2017年にかけて6回の核実験を実施した豊渓里核実験場があり、最後の実験は2017年9月だった。北朝鮮は2018年の非核化交渉過程で坑道を爆破し施設を「廃棄」したと主張したが、その後、主要坑道を段階的に復旧させているとみられている。情報当局は、北朝鮮が指導部の決断次第で、いつでも核実験を再開できる状況にあると評価している。

米国家情報長官室(DNI)も2025年3月、「北朝鮮は短期間の予告で核実験をする準備が整っている」との見解を示した。吉州郡中心部と豊渓里核実験場の坑道入口は直線距離で約25キロに過ぎない。

キム総書記が最近、対外的な軍事・外交メッセージを抑え、民生や経済成果の誇示に集中している中で、核実験場近隣への訪問は韓米に余計なシグナルを与えかねない。こうした判断から、今回の吉州郡訪問を戦略的に回避した可能性があるとみられている。

(c)news1

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