李氏朝鮮(1392~1897)第21代国王ヨンジョ(英祖)の娘ファヒョプオンジュ(和協翁主、1733~1752)。10歳前後で、のちの領議政(現在の首相に相当)の息子と結婚し、1752年、数え年の20歳という若さで病死した。史書には「美貌に優れていた」という記録がある。
韓国伝統文化大学と国立古宮博物館はファヒョプオンジュの墓から出土した化粧品を研究し、それを「ファヒョプオンジュ陶磁エディション」という伝統化粧品で発売することにした。
ファヒョプオンジュの墓は京畿道(キョンギド)南楊州市(ナムヤンジュシ)三牌洞(サムペドン)にある。2016年には、オンジュが生前に使用した櫛、鏡、眉墨をはじめ、青花白磁化粧品容器など47種類93点が出土した。化粧品容器の中には茶色の固体5種類、液体2種類、白粉1種類、赤粉1種類が入っていた。
同大学と同博物館は、化粧品専門ODM(開発・製造受託)企業「コスマックス」とともに、化粧品の成分を分析するとともに、これをヒントに伝統化粧品を開発するプロジェクトを進めてきた。
陶磁エディションは「ファヒョプオンジュ美顔バーム&美顔磁器」の組み合わせだ。化粧品容器はオンジュが使っていた青花白磁をベースにデザインされている。美顔バームには椿の種油(オイル)とかぼちゃの種油、ぬか油のような伝統材料が含まれている。顔をマッサージする道具である美顔磁器には青花白磁が使われている。
文化財庁の関係者は「当時は(美白のために)水銀・鉛のような重金属を使用していたが、現在は化粧品では使えない。こうした成分を除き、蝋(ろう)や多様なオイルを使って現代的な製品にした」と説明している。
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