2024 年 12月 22日 (日)
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作曲家に共通する「パクリ否定」の流儀 [KWレポート] 韓流ヒット曲「盗作」疑惑 (4)

Debbie Gibsonの「Only in my dreams」とIU「Boo」の比較(c)MONEYTODAY

IUに曲を提供した作曲家たちは、当然ながら盗作疑惑を強く否認している。

「Good Day」や「ピンクの靴」の作曲家イ・ミンス氏、「BBI BBI(ピッピ)」の作曲家イ・ジョンフン氏、「哀れ」の共同作曲者チェ・ガプウォン氏(プロデューサー)、「Boo」の作曲家ハン・サンウォン氏の全員が「他人の曲を参考にしたり、念頭に置いて作業したことはない」と話した。

作曲家は、盗作疑惑が起きると、ジャンル、コード、メロディー、リズムなど、音楽的な部分を取り上げ、まず「違う」という点を主張する。その後、「その曲を聴いたことも、参考にしたこともない」と追い打ちをかけるのが通例だ。

かつて「何小節かが同じものであってこそ、盗作である」という定義が使われていた。これは、1999年まで存在した「公演倫理審議委員会」が使っていた基準に過ぎず、既に消えて久しい。

現在はあまりに巧妙にコピーしたり、微細に避けたりする方法が普及しているため、「同じメロディーとリズムが使われた」という基準だけで盗作疑惑を提起することはない。

ある曲を聞いた時、原曲を思い出す「流れ」がある場合、盗作疑惑が提起されるのだ。

◇ジョージ・ハリスンの例

米国の著作権法の判例からもわかるように、重要なのは「リスナーの意見」(listener’s opinion)だ。

もちろん、リスナーの抱く疑惑・意見だけが正解ではない。だが、不特定多数の似たような意見は重要だということで、「私はそんな曲を聞いたこともない」という主張をしても無駄だ。

結果的に同じ曲だと判断されれば「盗作」とされるのだ。

一例として、ザ・ビートルズのメンバーだったジョージ・ハリスンが書いた「マイ・スウィート・ロード(My Sweet Lord)」が、シフォンズ(Chiffons)の1963年の作品「He is Fine」をコピーしたものだ――と提起され、法廷での争いにまで広がった。

当時、ハリソンは意図的にコピーしたことはないと主張したが、裁判所は「潜在的盗作も盗作だ」とし、シフォンズに軍配を上げた。

ハリソンは「暗黙の解決」として、40万ドル(現在のレートで約5500万円)を賠償することになった。

◇「同じ曲」と判断なら他に方法はなく

IUの作曲家を含め、その多くが意図的にコピーをしているとは思わない。

だが、残念ながら、結果的に同じ曲と判断されてしまえば、方法はない。

作曲家は、まず「プロとしての悔しさ」から否認をするが、それだけではない。

利益を失うだけでなく、経歴にも致命的な傷がつく。

作曲家側が勝つためには、疑惑が深まった時に徹底的に「否認」し、あとは原著作者が告訴するまで耐えるしかない。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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