2024 年 5月 2日 (木)
ホームエンターテインメントインタビューパク・ウンビン「7カ月間、試験勉強をするようにセリフを覚えました」 (上)

パク・ウンビン「7カ月間、試験勉強をするようにセリフを覚えました」 (上)

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パク・ウンビンの自閉スペクトラム演技は、必ずしも現実味のあるものではなかった。

これまで、俳優たちが障害の症状を表現することに焦点を合わせていたとすれば、パク・ウンビンは、やや愛らしく表現した。

むしろ、大衆は自閉スペクトラムを持ったパク・ウンビン扮する「ウ・ヨンウ」に、偏見を持たず、身近な存在にすることができた。その結果、ケーブルチャンネルENAのドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」がシンドローム級の人気を集めることになった。

「現実性と非現実性の問題は、キャラクターをつくり上げる際、同時に考えなければならない問題でした。障害という症状を表現することに焦点を合わせるならば、『防御的』に演技することもできると考えました。(でも、そうしてしまえば)人物の持つ潜在力、可能性などを見過ごすことにならないかと悩みました。このキャラクターは、ウ・ヨンウの世界観の中で、思う存分、自由に表現したいと思いました」

「序盤に『ウ・ヨンウはこういう人物です』というのを見せるにあたって、“少し違う”という印象を与えつつも、仕事ができる姿を見せなければなりませんでした。これをどうバランスを取るかというのが難問で、熟慮して表現しました」

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「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の視聴率は初回0.9%(ニールセンコリア全国有料世帯基準)で始まった。だが、口コミが広がり、最終回は17.5%で幕を閉じた。米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)でもテレビショー部門で3位まで上がった。

意図したことではなかったが、ウ・ヨンウのセリフをまねる、というパロディーがあふれた。

これを不快に思う視聴者も少なくなかった。

「ひとまず、まねをする方々も、決して卑下しようとしたのではない、と信じたいです。ヨンウを演技するうえで、非常に、慎重に、悩んで、決して軽くならないようにした。ヨンウは、世界観の中でのみ存在してくれたらいい。もう少し丁寧に言えば、ヨンウに好感を持ってもらってありがたいですが、見た目、話し方などをまねることは、他人を傷つけることもあり得るので、やめていただきたいです」

当初、パク・ウンビンはこのドラマへの出演を何度も断った。確信が持てず「果たして、私はうまくやり遂げられるのか?」と思ったためだ。それでも決断したのは、PDのユ・インシク氏と脚本家のムン・ジウォン氏が信じてくれたからだという。「恩返ししたい、挑戦してみたい、という冒険混じりの気持ちがありました」と打ち明ける。

前作のドラマ「恋慕」(2021)の終了後、ウ・ヨンウの準備にわずか2週間しか与えられなかった。しかも、セリフがあまりにも長い。「7カ月間、毎日、試験を受ける気分でした。難しい法律用語が多くて『考試(公務員試験)を勉強している』と考えました」。その際、「最後まで、うまくやり遂げたいと思って悪戦苦闘しました。渾身の力を尽くしたので、もう2度と戻りたくないです」と話した。

セリフを覚えられない方ではない。だがウ・ヨンウの場合、セリフをそのまま覚え、時間をかけて話すのではなく、速射砲でセリフを吐き出しながらも、正確な発音にする必要があった。

「私はヨンウのように天才的な頭脳を持っていません。まず、セリフの量に慣れるのが最初でした。次に内省(自身の心と向き合い、考えや言動を省みる)するのに時間をかけました。法律用語は、ただ聞いているだけではわかりにくいので、A4用紙に書きながら丸暗記しました。(セリフが)明日も多く、明後日も多く、いつも多かったですね。1週間前に覚えられるのではなく、その場で、また明日急いで、その時その時に、多くのセリフを覚えるのが難しかった。休みの日も、心は負担でいっぱいでした」

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