2025 年 11月 29日 (土)
ホーム経済流通シャネルバッグ「ウォン安で免税店より百貨店が安い」…韓国で広がる「逆転現象」

シャネルバッグ「ウォン安で免税店より百貨店が安い」…韓国で広がる「逆転現象」

2025年1月10日、ソウル市内の百貨店にあるシャネルの売り場の様子=写真は記事内容と直接関係ありません(c)news1

韓国で「免税店=安い」という常識が崩れつつある。特に高級ブランド品では、ウォン安によるドル建て価格上昇で「免税店より百貨店の方が安い」という“価格逆転現象”が広がっている。

免税店の店員ですら「特別な限定品でない限り、今は百貨店での購入をおすすめする」と話すほど。実際にシャネルの人気バッグは、免税店で購入した場合、関税や税金込みで百貨店より約682万ウォン(約75万円)も高くなるケースが確認された。

記者が11月23日、訪れたソウル市内の百貨店内ルイ・ヴィトンでは、カプシーヌ(ミディアム)が990万ウォンで販売されていた。一方、同じ建物内の免税店では7500ドルで販売されており、同日の適用為替レート(1468ウォン)を考慮すると1101万ウォン、すなわち百貨店より111万ウォンも高かった。

ディオールの「カロバッグ(ミディアム)」も百貨店では590万ウォン、免税店では4200ドル(約617万ウォン)と27万ウォンの差があった。シャネルの定番「クラシック フラップ(ミディアム)」は免税店・百貨店ともに価格が1666万ウォンで同一だったが、免税店での購入は税金負担が加わるため実質的に高額となる。

現在、韓国の免税品持ち込み限度額は800ドル。それを超える部分には関税、個別消費税、教育税、付加価値税などが課される。自ら申告すれば30%の税額控除が受けられるものの、高額商品では負担は依然として大きい。

例えば、シャネルのクラシック フラップ(免税店価格1万1350ドル)を持ち帰った場合、800ドルを除く1万550ドルが課税対象となり、計算上、税金は682万ウォン超。結果として、税込み総額は約2348万ウォンとなり、百貨店価格の1666万ウォンと比べて約41%も高くなる。

免税店のスタッフは「どうしても百貨店に在庫がない商品ならともかく、今のような為替レートでは、免税店で購入するメリットはほぼない」と述べた。

実際、消費者の流れは百貨店に集中している。百貨店の高級ブランド売り場では韓国人のみならず、中国人観光客も列を成して入場待ちをしていたのに対し、同じ建物内の免税店は比較的閑散としていた。

百貨店の店員は「最近は、米国から韓国の百貨店にバッグを買いに来たという外国人もいた」と話す。免税店よりも価格が安く、複雑な税関申告の手間もないことが、国内外の消費者にとって百貨店を選ぶ理由になっている。

このような傾向を受け、免税業界も対策に動いている。新世界、ロッテ、新羅など主要免税店は、今月から適用する「基準為替レート」を従来の1350ウォンから1400ウォンへと引き上げた。これはドル建て価格を下げて見せるための措置で、実質的な割引効果を狙ったものだ。

さらに、為替補償、簡易決済サービスの利用時の割引、ポイント還元などのキャンペーンも強化している。だが限界もある。なぜなら、免税店側は海外ブランド品をドルで直接買い付けるため、為替レートが上がれば輸入原価も上昇し、収益性が悪化するからだ。割引キャンペーンによる販促費の増加も利益を圧迫する。

免税業界の関係者は「今年の夏は為替が安定していたため、韓国人も外国人も高額商品を多く購入したが、最近は状況が変わった。ビザなし観光解禁で訪韓客は増えているが、免税店への集客にはつながっておらず、苦戦している」と語った。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular