◇「犯罪都市2」11日、観客動員数1000万人
韓国映画が3年ぶりに1000万観客動員の祝砲を放った。映画振興委員会によると、映画「犯罪都市2」(イ・サンヨン監督)が11日、封切り25日で観客動員数1000万人を突破したのだ。
洋画を含めて歴代28番目の1000万記録であり、韓国映画に限れば20番目の記録となる。2019年に映画「パラサイト~半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)が1000万観客の動員記録を出して以来でもある。
2019年は韓国映画100年の歴史のピークともいえる年だった。
映画「パラサイト」がカンヌ国際映画祭で韓国映画として初めてパルムドールを受賞した。この「パラサイト」と「極限職業」の2本は1000万映画となった。洋画「アベンジャーズ/エンドゲーム」「アナと雪の女王2」「アラジン」を含めれば、2019年は1000万映画が5本に達した。
劇場を訪れた観客は計2億2667万8777人。2004年に映画振興委員会が統合電算網で統計を公表して以来、歴代最多を記録した。
だが、翌2020年、新型コロナウイルスが世界的に流行し、劇場は史上最悪の危機を迎えた。パンデミックが宣言された2020年3月以降、今年初めにエンデミックに転換されるまでの2年間、劇場ではかつてのようなヒット作は出なかった。
「犯罪都市2」は「パラサイト」以後記録できなかった「1000万動員」を成し遂げたということで、韓国映画にとって大きな意味がある。
◇多くの作品が「漂流」
パンデミック期間に興行した映画は数えるほどしかない。それさえも黒字と赤字の境目をさまようというレベルだった。
2020年3月から現在まで、少なくとも300万人以上を動員した映画は▽「ただ悪から救ってください」(435万7803人)▽「半島」(381万2250人)▽「モガディシュ脱出までの14日間」(361万3984人)▽「エターナルズ」(305万132人)▽「スパイダーマン:ノーウェイホーム」(755万1884人)▽「ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」(586万3047人、6月10日基準)――がすべてだ。
この3年間、韓国映画産業は成長が止まった状態だった。「非常宣言」「英雄」「人生は美しい」など、期待作をはじめ、コロナ直撃打を受けた100編余りの映画が、公開を先送りしたまま漂流した。
封切りしてもヒットした映画は極めて少なかった。一部の作品はOTT市場に進出したりもした。多重利用施設に対する防疫措置の強化で、映画館の利用時間に制限が生じ、映画界の不安感はさらに大きくなった。
これに対し映画団体は政府に支援を訴える集会を開き、営業時間制限の解除やコロナ禍での映画業界の被害額算定、損失補償などを要求したりもした。
こうした状況の中で「犯罪都市2」は1000万突破という大記録を作り出したわけだ。
◇映画市場の好循環に期待
昨年「スパイダーマン:ノーウェイホーム」が700万人台、今年は「ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」が500万人以上の観客を動員し、映画興行の正常化に向け、エンジンをかけた。それに続くのが「犯罪都市2」という点も注目に値する。
「犯罪都市2」の成功により、封切りを待つ夏のシーズン映画でもヒットが期待できるようになった。赤字に苦しめられてきた劇場も「犯罪都市2」の躍進を歓迎している。
CGV広報チーム長のファン・ジェヒョン氏は「犯罪都市2」の成果について「韓国映画市場が好循環を回復できる、という自信につながった」とみる。そのうえで「1000万映画はコロナ以前でも簡単ではなかった。今後封切られる韓国映画の興行にも、肯定的な影響を与える期待している」と述べた。
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