ゲーム市場の成長に足並みを揃えてテレビが進化している。デスクの上に置くのに良いようにサイズは小さくなり、コンソール(家庭用ゲーム機)がなくてもゲームを楽しめるようになった。単に放送を視聴する手段を超えて、テレビで“経験”をしたいという人が増え、ゲームがテレビ業界の新しい「ブルーオーシャン」(従来存在しなかった新しい領域に事業を展開していく戦略)になったということだ。
業界関係者によると、ゲーミングモニターとしてテレビの役割が大きくなっているという。ゲーマーが増えると、自然にゲーム用モニター市場も大きくなる。単にゲーム用途として使うゲーミングモニターの価格が100万ウォン前後と高価なため、多様な機能で活用できるテレビを選択するケースが多くなったからだ。
KDB産業銀行未来戦略研究所によると、グローバルゲームソフトウェア市場規模は昨年、1758億ドル(約200兆ウォン)だ。国内のゲーム市場規模は18兆ウォンで、韓国はゲーム市場シェア4位となっている。
新型コロナウイルス感染拡大以降、“おうち時間”文化が広がり、テレビにより多くの役割を要求する消費者が増えたことも、テレビがゲーム機能に注目するようになった背景にある。
電子業界関係者は「高解像度と、それに伴う没入感など、ゲームの価値を完全に感じることができ、そのうえ、テレビ本来の機能まで望む消費者が増えた」と説明した。
サムスン電子とLG電ともにコンソールなしでクラウドゲームを楽しめるようにした。
サムスン電子はMicrosoftのクラウドゲームサービス「Xbox Game Pass」サービスを、LG電子はNVIDIA(エヌビディア)の「Ge Force NOW」サービスを、それぞれテレビ業界最速で提供した。
ゲームがやりやすいよう、テレビ台に載せるのに適した小さいサイズのプレミアムテレビも誕生した。
LG電子は一昨年は業界初の48インチOLED(有機EL)テレビを、今年は最小型の42インチ有機ELテレビを発売した。LG電子HP(ホームエンターテインメント)事業本部長のパク・ヒョンセ氏は中型級プレミアムテレビ発売時に「何年も有機ELテレビ事業に携わり、セカンドテレビ、ゲーミング市場で小型の42インチに対する需要があることを確認していた」と説明していた。
ゲーマーは、モニターの高画質とすばやい応答速度を重視するため、ゲーミング市場での認定を、そのままテレビの技術力評価の尺度とする消費者もいる。したがって、ゲーム市場はテレビ業界が逃してはいけない分野と評価される。
別の業界関係者は「以前、消費者がテレビに望んでいたのは大きな画面とより良い画質だけだった。それが新型コロナウイルス感染以降、単に視聴するだけでなく、何が経験できるかなどに関心が広がった。ゲームもまた、テレビがもたらすたくさんの価値のひとつになった」と解説する。
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