2024 年 5月 3日 (金)
ホームエンターテインメントウ・ヨンウ愛は「ドラマに過ぎない」…現実は性犯罪の懸念 (上)

ウ・ヨンウ愛は「ドラマに過ぎない」…現実は性犯罪の懸念 (上)

  現場ルポ  

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「現実では非障害者と発達障害者が恋愛する確率は100分の1程度でしょう」

全国障害者父母連帯のユン・ジョンスル会長は、TVドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で自閉スペクトラム症がある弁護士ウ・ヨンウと非障害者の男性が恋愛関係に発展する内容をめぐり、慎重に話を切り出した。

「障害者を持つ父母の場合、子供が性犯罪に遭うことを恐れて(不妊)手術をさせる場合が多い。あまりにも妊娠をすることが多いので、親の立場からすると、心配が大きいからだ」

ユン・ジョンスル会長はこう背景を説明した。

ドラマとは違い、現実では、障害者と非障害者の愛に不安混じりの視線が先に向けられる。

女性障害者の場合、人生の多くの場面で性的搾取、または性犯罪に遭う可能性が高い。ドラマが描くウ・ヨンウのロマンスが、模倣恋愛や犯罪につながらないか――障害者家族がこう懸念するのも、こうした現状認識に基づくものだ。

それでも障害者を対象にした性犯罪の原因を「障害者の身体・精神的な限界」という点だけに求めるべきではない、という指摘がある。「障害者の性的自己決定権」を議論から排除してしまえば、犯罪を誘発した社会の構造的問題に目を向けず、やりすごしてしまう恐れがあるからだ。

「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」10話にはこんな場面がある。

軽度の知的障害を持つ女性シン・ヘヨンの母親が、弁護士ウ・ヨンウに向かって鋭く言い放つ場面がある。

ウ・ヨンウが、娘に準強制性交をした疑いが持たれている非障害者の男性を弁護して「2人は愛し合っていて合意の上で性的関係を結んでいた」と弁論したからだ。

「騙せると思って近づき、娘のお金や体、心まで奪おうとする悪党どもから(私は娘を)守らなきゃならない」
「そんな母親の気持ちも知らずに、障害者の愛する権利なんて、何様ですか」

母親はこう問い詰めた。

障害者家族や団体関係者は、これが現実を反映した場面だと口をそろえる。

「ドラマのように非障害者と知的障害者の間で発生する性犯罪は、現実と非常に近いものだ。非障害者が発達障害者に会う場合、(障害者を)性のおもちゃとして扱う場合が確かに多い」(ユン・ジョンスル会長)

妊娠しても、本人の意志とは関係なく、中絶を決める女性障害者も少なくない。

韓国保健福祉省と韓国保健社会研究院が発表した「2020年障害者実態調査」によると、人工妊娠中絶をした全国の満49歳以下の女性障害者(推定778人)の100%が、本人の意思ではなく、周囲の勧めによって手術を決めたという。

女性障害者にとっては生理も歓迎されないことだ。

女性障害者団体「障害女性共感」が公表した「レッドリップ記録集」によると、青少年期に入った障害者が生理用ナプキンを1人で処理するのは難しいため、両親がホルモン注射を進める場合もある。「幼くて、(両親の)言葉にまともに抵抗できなかった。その時のことを考えると、今でも腹が立つ」(ある女性障害者)という。

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